店舗内装デザインの施工プロセスについて2025.12.04
店舗内装デザインは、単なる「空間の見た目」を整える仕事ではありません。
売上を上げる仕組みを空間へ埋め込み、ブランド体験を最大化し、顧客の心理を動かし、オペレーション効率を高める総合戦略です。
店舗デザインの成否は、商品力やサービス力に匹敵するほどビジネスの成功を左右します。
ここでは、店舗内装デザインに必要な本質、空間計画、素材選び、動線デザイン、照明設計、各業種別デザイン戦略、施工プロセス、コストの実態、最新トレンドまで、プロの視点で徹底的に解説します。
第1章:店舗内装デザインとは何か
■1-1 店舗内装デザインの定義
店舗内装デザインとは、
「店舗の目的達成のために、空間を計画・演出・構築すること」
を指します。
その目的は業種により異なります。
- 売上を最大化する(小売・飲食)
- 滞在時間を最適化する(カフェ・書店・美容院)
- 回転率を高める(ラーメン店・定食屋)
- 高価格帯の付加価値を作る(美容・アパレル・クリニック)
- 安心感や信頼感を演出する(医療・薬局)
- 世界観を伝えブランド体験を生み出す(物販・サービス店)
つまり、店舗(ビジネス)モデルごとに最適な空間設計が存在するということです。
第2章:店舗デザインの基本原則
プロのデザイナーが必ず考慮するポイントがあります。
■2-1 ブランディングと世界観
店舗デザインにおいて「見た目の良さ」だけでは不十分です。
内装は
- ブランドの個性
- 提供価値
- 顧客体験の方向性
- 価格帯
- ターゲット
を正確に表現する必要があります。
例:業種ターゲットデザインの方向性高級寿司店富裕層木材 × 和紙 × 間接照明で静けさと上質感スタバ型のカフェ20–40代暖色 × 木調 × 心地よいBGM × 長居しやすい椅子学生向けファストフード10–20代明色 × カラフル × 回転率重視の椅子配置
このように、ターゲットが変われば「正解」も変わります。
■2-2 動線計画(動きやすい設計)
動線設計とは「人がどう動くか」を計画すること。
- 顧客動線
- スタッフ動線
- 商品補充動線
- 緊急避難動線
すべてが滑らかである必要があります。
これを誤ると、
- 混雑しやすい
- スタッフがストレスを感じる
- 顧客がゆっくり見られない
- 店舗の回転率が下がる
- 売上が伸びない
など、致命的な問題につながります。
■2-3 ゾーニング(空間の役割分け)
店舗は「異なる目的のエリア」で構成されます。
例:飲食店
- ウェイティングスペース
- カウンター
- テーブル席
- 厨房
- レジ
- トイレ
- スタッフ動線
- 食材ストックエリア
例:アパレル店
- メインディスプレイ
- 試着室
- レジ
- バックヤード
- 商品棚
- フィッティングルーム前の待機スペース
ゾーニングが適切であることで、顧客の回遊性が向上し、売上増加につながります。
■2-4 照明計画(ライティングデザイン)
照明は内装の中でも最も売上に直結する要素です。
照明の役割:
- 商品を魅力的に見せる
- 雰囲気を演出する
- 滞在時間を操る
- 回転率を調整する
- SNS映えを作り話題性を生む
- 高価格帯の説得力を作る
例:
- 飲食店:暖色系が食欲を増進
- アパレル:演色性の高いライトで服の色味を正しく見せる
- コスメ店:自然光に近い白色照明(女性がメイクを試しやすい)
照明はブランドの印象をも左右するため、プロも最も気を使うポイントです。
■2-5 素材選び(マテリアルデザイン)
素材は内装の“質”を決める要素です。
- 壁材
- 床材
- 天井材
- カウンター
- 建具
- 外壁
- 看板
- 家具
素材の選び方で、
- 高級店 → 本物の木、石材、左官仕上げ
- 低価格帯 → メラミン化粧板、長尺シート、クロス
- 工業系 → 無垢材+アイアン
- ナチュラル系 → 木材+グレージュ+植物
などが明確に分かれます。
また、素材は
- 耐久性
- 汚れの落ちやすさ
- 匂い残り
- メンテナンス性
など実務面にも直結します。
第3章:店舗内装デザインの工程(プロのワークフロー)
店舗デザインの流れは以下の通り。
■3-1 ヒアリング(方向性の確定)
- ターゲット
- コンセプト
- 価格帯
- 営業スタイル
- メニュー構成(飲食店)
- 商品量(小売)
- スタッフ人数
- 回転率
- 売上目標
これらを聞き、ブランドを言語化します。
■3-2 物件調査(現地調査)
- スケルトン or 居抜き
- 給排水設備の位置
- ダクト設備
- 電気容量
- 防火区画
- 天井高
- 床の強度
- 防水区画
- 外観規制
ここで「できること / できないこと」が明確になります。
■3-3 プランニング(配置計画)
設計者はこの段階で「売れる動線」を作ります。
- 什器の寸法
- 座席数
- 厨房位置
- レジ位置
- 客席のレイアウト
プランニングの良し悪しが売上に直結します。
■3-4 デザイン(意匠設計)
ここで内装の見た目が決まります。
- コンセプトデザイン
- 色彩計画
- 素材選定
- ライティング計画
- 看板デザイン
- サインデザイン
- グラフィック計画
■3-5 実施設計(施工図作成)
施工が可能なレベルまで図面化。
- 平面図
- 展開図
- 照明図
- 電気図
- 給排水図
- 什器図
- 詳細図
- 看板図面
■3-6 見積もり
デザインと図面を元に工事費を算出。
■3-7 施工(工事)
- 解体
- 下地
- 配管工事
- 電気工事
- 空調工事
- 軽鉄工事
- ボード張り
- 左官
- クロス
- 塗装
- 什器製作
- 床材施工
- 仕上げ工事
■3-8 引き渡し → 開業準備
- 社内オペレーション
- 備品搬入
- 音響調整
- 看板点灯試験
- レジ設置
- スタッフ導線チェック
第4章:店舗種類別 内装デザイン戦略
ここからは業種別の専門知識を深堀りします。
■4-1 飲食店(レストラン・カフェ)
飲食店のデザインは、
- 回転率
- 料理の見え方
- 滞在時間
- 温度
- 照明
- 音
- 匂い
など非常に複雑です。
特に「回転率」と「客単価」の関係が非常に重要。
例:店舗タイプ回転率デザインの方向性ラーメン店高いカウンター中心、明るめ、回転率重視カフェ中間木目、暖色、長居しやすい席配置高級レストラン低い落ち着いた照明、上質素材、プライベート空間
飲食店は 厨房設備 が非常に高額になるため、内装と設備のバランスが重要。
■4-2 アパレル店
アパレルは「魅せること」がすべて。
- 什器の高さ
- 動線の回遊性
- 商品の色を正しく見せる照明
- 試着室の快適さ
- バックヤードの配置
- レジの位置
特に 試着室の品質が売上を大きく左右 します。
■4-3 美容室・サロン
美容室デザインの核は、
- セット面
- シャンプー台
- カット動線
- 荷物置き場
- 騒音対策
- 配管位置
美容室は「落ち着ける空間であること」が重要で、
- 照明は眩しすぎない
- 適切な鏡のサイズ
- 髪が散らばっても掃除しやすい床材
など実務性とデザイン性を両立します。
■4-4 クリニック・整体・整骨院
医療系は「安心感」「清潔感」が最重要。
- 白ベース × アクセント木材
- 消毒しやすい素材
- バリアフリー動線
- プライバシー確保
- サイン計画
また、法規制も多いため専門知識が必須。
■4-5 小売店(物販)
小売の成功は
- どれだけ手に取ってもらえるか
- どれだけ店内を回遊してもらえるか
に依存します。
そのため、
- アイキャッチディスプレイ
- 回遊動線
- 什器の高さ計画
- 商品カテゴリごとのゾーニング
が必要です。
第5章:デザインの詳細要素(プロ向け解説)
■5-1 色彩計画(カラースキーム)
色は心理効果を持ちます。
例:
- 赤 → 食欲増進・刺激
- 青 → 清潔感・落ち着き
- 緑 → 自然・安らぎ
- 黒 → 高級感・重厚感
- 白 → 清潔感・医療系に最適
ブランドイメージを色で表現するのは基本。
■5-2 家具デザイン(什器計画)
既製品だけでなく、オリジナル什器が必要になる場合も多い。
- 木製什器
- アイアン什器
- ガラスショーケース
- レジカウンター
- ディスプレイスタンド
什器の完成度がブランドの完成度を左右します。
■5-3 アクセント(装飾要素)
- サイン(看板)
- ネオンサイン
- グリーン(植物)
- アート
- タイル
- 間接照明
特に「写真映えする壁」はSNS時代において必須。
第6章:店舗内装デザインの費用と相場
■6-1 一般的な費用相場
※規模や仕上げレベルにより大幅に変動
- 飲食店:80万〜200万円/坪
- 美容室:60万〜150万円/坪
- アパレル:40万〜120万円/坪
- クリニック:80万〜200万円/坪
■6-2 コストが変動するポイント
- 厨房設備の有無
- 空調工事の規模
- 電気容量の増設
- 消防工事の必要性
- 床仕上げ
- 特殊素材の使用
- 特注什器の量
- スケルトンか居抜きか
居抜きを活用できると50〜70%までコストダウンが可能になる場合もあります。
第7章:最新トレンド(2024–2025)
■7-1 ミニマルデザイン × 温かみ
- グレージュ
- アッシュウッド(淡い木)
- 真鍮
- 間接照明
落ち着いた世界観が人気。
■7-2 体験型デザイン
物販・カフェで急増。
- フォトスポット
- ワークショップエリア
- 試飲・試食スペース
■7-3 サステナブル素材
- リサイクルウッド
- エコカーペット
- ローカル素材
■7-4 カスタマイズ什器
- 移動可能な什器
- 店舗レイアウトを簡単に変更できる構造
第8章:失敗しないためのチェックリスト
■8-1 よくある失敗例
- デザインだけ見て実用性が不足
- 照明が暗すぎる/明るすぎる
- 厨房が狭くて動きにくい
- レジ周りが混雑しすぎる
- 外観が魅力的でない
- 看板が目立たない
- 電気容量が足りず追加工事
- 換気が不十分で匂いが残る
■8-2 成功する店舗の共通点
- 世界観が明確
- 動線がスムーズ
- 照明が適切
- 看板でしっかり集客
- Instagram映えするスポットがある
- オペレーション効率が高い
第9章:まとめ—店舗デザインは「売れる仕組み」づくりである
店舗内装デザインとは、
- 美しさ
- ブランド
- 心理学
- 動線設計
- 素材の選択
- 法規制
- コスト管理
- オペレーション
- マーケティング戦略
すべてを統合した総合的な空間プロデュースです。
言い換えると、
“売れる理由を空間に埋め込む” 行為こそが店舗内装デザインの本質です。
戸建て住宅やアパートマンション、店舗オフィスの内装リフォーム・リノベーション工事のことなら、埼玉県越谷市南越谷の株式会社N・A・Oまでお気軽にお問い合わせ下さい。
又、周辺地域の川口市や草加市、三郷市や春日部市、八潮市、吉川市、戸田市、さいたま市緑区、岩槻区、見沼区、蕨市、千葉県柏市、松戸市、流山市、東京都北区、板橋区、足立区などからのご依頼もお待ちしております。
求人や協力業者も随時募集しております。
住宅・店舗リフォーム・リノベーションは埼玉県越谷市の株式会社N・A・O|求人
株式会社N・A・O
〒343-0845
埼玉県越谷市南越谷1丁目2928番地1-506号
TEL:048-971-7848/FAX:048-971-7956
