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店舗内装工事の工事プロセスについて2025.12.03

店舗内装工事とは、店舗を営業可能な状態へと仕上げるための内装(壁・床・天井)、設備(電気・空調・水道・換気・ガス)、家具、サイン(看板)などを総合的に施工する一連の工程を指します。飲食店・物販店・美容室・クリニック・オフィス併設型店舗など、業態によって必要な工事内容は大きく変わりますが、どの店舗でも共通の工事プロセス・法規・設備要件が存在します。

ここでは、店舗内装工事の基本構造から、業種別の施工ポイント、設計・見積り・工程管理、トラブル防止策、コストの考え方まで細かく解説します。


第1章 店舗内装工事とは何か

■ 店舗内装工事の定義

店舗内装工事(商業内装工事)とは、店舗の用途に応じて空間を構築し、法律・衛生基準・消防基準を満たした上で営業ができる状態にするための工事です。

住宅リフォームと異なる点は以下の通り。

● 違い①:法律・基準が多い

  • 消防法
  • 建築基準法
  • 風俗営業法(深夜営業や飲食店など)
  • 保健所の基準(飲食店・美容・医療)
  • ガス・水道・電気などインフラ規程
    店舗は「不特定多数の人が利用する空間」のため、住宅より厳しく細かい規定がある。

● 違い②:設備工事の比重が大きい

とくに飲食店は

  • 排煙設備
  • ダクト工事
  • 給排水設備
  • 厨房防水
  • グリストラップ
    など重設備が多く、内装予算の半分以上を占めることも多い。

● 違い③:商圏・売上を左右するデザイン性が必要

いかに個性を出しつつ、居心地・効率・回転率のバランスを取るかが重要。

● 違い④:工期が短い

店舗は家賃が発生するため、工期が住宅よりタイト。


第2章 店舗内装工事の全体フロー

店舗内装工事は以下の流れで進む。

  1. 物件選び(テナントの選定)
  2. 現地調査(現調)
  3. ゾーニング・レイアウト設計
  4. 基本設計/実施設計(図面作成)
  5. 見積り・予算調整
  6. 各種申請(消防・保健所・建築)
  7. 工事契約
  8. 着工(解体工事→設備工事→仕上げ工事)
  9. 完了検査(消防・保健所)
  10. 引き渡し
  11. 開業準備(什器搬入、商品陳列)

以下、専門的に詳しく掘り下げる。


第3章 物件選びと現地調査の重要性

■ 物件によって工事費が大幅に変わる

店舗内装工事の70%は物件の状態で決まるといっても過言ではない。

● スケルトン物件

柱・床・コンクリのみ。自由度が高い分、工事費は高額になりやすい。

  • 飲食店:300〜2,000万円
  • 美容室:200〜800万円
  • 物販店:100〜600万円

● 居抜き物件

前店舗の設備が残っている。費用を抑えられるが、設備の状態次第で追加工事が必要になる。

  • 飲食店居抜き → 大幅コストダウン可能
  • 美容室居抜き → シャンプーブース等が使い回せる

● 軽飲食向き/重飲食不可などの制限

ビル側の排気・給排水能力で「何の業態ができるか」が決まる。
例:

  • ラーメン店:強力な排気・給水量が必要
  • 焼肉店:個別ダクト必須
    能力が足りないと、そもそも出店不可になる。

第4章 レイアウト設計(ゾーニング)の基本

■ ゾーニングとは

店舗内装工事では、まず全体の空間をどのように配置するか決める。これを「ゾーニング」と呼ぶ。

以下は代表的なゾーン。

  • エントランス・入口周り
  • 客席スペース
  • 厨房(飲食)
  • 作業スペース(物販・美容)
  • レジ・バックヤード
  • 収納(ストック)
  • 事務スペース
  • トイレ
  • 専用設備スペース(空調室外機、給湯など)

■ 業態別・ゾーニングのポイント

● 飲食店の場合

  • 厨房と客席の動線を短くする
  • 座席効率(1席あたりの売上)を最大化
  • 厨房フードの位置、ダクト配管ルートを最優先

● 美容室

  • セット面の間隔(最低90cm以上)
  • シャンプースペースの暗さ・落ち着き
  • 配管ルートの確保(床下配管が不可の物件もある)

● 物販店

  • 入口付近:導入(ファーストコンタクト)
  • 中央:回遊性のある陳列
  • 奥:滞留スペース、試着室(アパレル)

第5章 図面(設計図)の種類と役割

店舗内装工事では、住宅より多くの図面が必要。

■ 代表的な図面

  1. 平面図(レイアウト図)
  2. 展開図(壁面の図)
  3. 照明・電気設備図
  4. 空調設備図
  5. 給排水設備図
  6. 仕上げ表(壁・床・天井の仕様)
  7. 什器図(カウンター・棚など)
  8. サイン図(看板)

図面の精度によって、工事の正確性も見積りの精度も大きく変わる。


第6章 各種申請(消防・保健所・建築)

店舗内装工事は多くの申請が必要。

● 消防への申請

  • 防火対象物工事計画届
  • 防火管理者選任届
  • 防火設備(感知器・スプリンクラー)の設置

例:飲食店舗

客席数が多数の場合、誘導灯や火災報知器が必須。

● 保健所への申請(飲食店・美容・医療)

  • 手洗いの数
  • シンクの大きさ
  • トイレの位置
  • 換気量
  • 給湯器の温度(60℃以上が求められる場合あり)

業態によって細かい基準が違う。

● 建築確認(大規模な工事)

  • 間取りを変える場合
  • 床の上げ下げ
  • 荷重が増える場合

第7章 店舗内装工事の実務工程(工事の流れ)

店舗内装の現場は以下の順序で進む。

① 解体工事

  • 既存什器撤去
  • 壁・床・天井の撤去
  • 配管・ダクトの撤去
  • 廃材搬出

居抜きの場合は再利用できる設備を残す。

② 墨出し(位置出し)

図面の位置を床や壁に実寸でマーキングする重要工程。

③ インフラ工事(電気・給排水・ガス・空調・ダクト)

店舗工事の核。

電気工事

  • 分電盤の容量増設
  • 照明位置の配線
  • コンセント増設
  • 厨房機器の200V対応

給排水設備

  • 塩ビ管で床下配管
  • グリストラップの設置(飲食)
  • 給湯器の設置

空調工事

  • 業務用エアコン(天カセ、壁掛け)
  • 室外機の設置場所の確保(ビル制限あり)

ダクト工事(特に飲食店)

  • 排気・給気のバランス設計
  • 近隣クレーム防止の消音ダクト

④ 軽量下地(LGS工事)

LGS(Light Gauge Steel)で壁や天井の骨組みを作る。

⑤ 造作工事(大工工事)

  • 壁造作
  • カウンター製作
  • 木製什器の制作

⑥ ボード貼り

石膏ボードを貼って壁・天井の形を作る。

⑦ 仕上げ工事

  • クロス貼り
  • 塗装
  • 左官仕上げ
  • タイル貼り
  • 床材施工(フローリング、クッションフロア、長尺シート、タイル)

⑧ サイン工事

  • 外部看板
  • 内部サイン
  • カッティングシート

⑨ クリーニング

工事完了後に清掃。

⑩ 完了検査・引き渡し

消防・保健所の確認を経てお店がオープンできる状態になる。


第8章 店舗内装工事の費用構造と単価

店舗内装工事の費用目安(スケルトンの場合)を業態別に示す。

■ 飲食店(重飲食)

坪あたり 40〜80万円
例:
20坪 → 800万円〜1600万円

■ 飲食店(軽飲食)

坪あたり 30〜60万円

■ 美容室

坪あたり 20〜50万円

■ 物販店

坪あたり 10〜30万円

■ クリニック

坪あたり 30〜80万円


第9章 店舗内装工事でよくあるトラブルと対策

① 見積りが増えていく

原因:

  • 物件調査不足
  • 設計図の精度不足
  • 想定外の追加工事(ダクトルート不可など)

対策:

  • 必ず現調を実施
  • 図面を細かく確認
  • 追加費用が発生したら書面で理由と費用を明示

② 工期が遅れる

原因:

  • 申請が間に合わない
  • 設備工事のトラブル

対策:

  • 消防・保健所申請は余裕を持って提出
  • 物件の設備状況(電気容量など)を最初に確認

③ 近隣トラブル

  • 騒音
  • 振動
  • 匂い(飲食)

対策:

  • 工事時間の遵守
  • 排気ダクトの消音設計

第10章 業態別・店舗内装工事の専門知識

■ 飲食店

飲食店は店舗内装の中でも最も難易度が高い。

必須工事項目

  • 厨房機器設置
  • 排気ダクト(200~500φ)
  • 給排水工事
  • グリストラップ
  • 防水工事
  • 床上げ工事
  • 厨房フード
  • 防火ダンパー

重要ポイント

  • 厨房の位置はダクトルートと給排水位置から決める
  • 匂い・煙の対策を最優先
  • 厨房床は滑りにくい防水素材を採用

■ 美容室

美容室は水回りと電気容量がポイント。

必須工事

  • シャンプーブース用の給排水配管
  • 電気容量増設(ドライヤー・アイロン用)
  • セット面照明
  • ミラー設置
  • 配管の床上げ(物件次第)

重要ポイント

  • 髪が流れやすい排水設計
  • セット面は90〜100cm間隔で配置
  • シャンプー台周りは落ち着く暗めの照明に

■ 物販店

比較的工事が簡単。

必須工事

  • 什器(棚、ハンガーラック)
  • 照明
  • レジ周り
  • セキュリティゲート(高級店)

重要ポイント

  • 商品の見栄えを最大化する照明計画
  • 回遊性を意識したレイアウト

■ クリニック

医療系は法規が多い。

必須工事

  • 清潔ゾーンと不潔ゾーンの分離
  • 耐薬品性の床材
  • X線室の鉛ボード(歯科・整形外科)
  • 給排水設備の衛生基準

第11章 内装工事会社の選び方

良い店舗内装業者を選ぶポイント。

  1. 店舗の施工実績が豊富
  2. 見積り項目が細かく内訳が明確
  3. 物件調査を必ず行う
  4. デザインから施工まで一貫対応
  5. アフターサービスがある

第12章 店舗内装工事の見積りの見方

見積書は以下のように分類される。

  • 仮設工事
  • 解体工事
  • 軽量下地工事
  • ボード工事
  • 電気工事
  • 給排水工事
  • 空調工事
  • ガス工事
  • 大工工事
  • 内装仕上げ工事
  • 建具工事
  • 什器工事
  • サイン工事
  • 諸経費

■ 注意ポイント

  • 一式表記が多いと危険(詳細内訳が必要)
  • 諸経費は10〜15%が一般的
  • 図面と見積りが一致しているか確認

第13章 店舗内装工事の工期目安

業態と規模によるが、一般的には以下。

  • 物販店:2〜4週間
  • 美容室:4〜6週間
  • 軽飲食:4〜8週間
  • 重飲食:6〜12週間
  • クリニック:6〜10週間

第14章 開業までに必要な費用一覧

店舗内装工事以外に必要な初期費用。

  • 保証金(家賃6〜12ヶ月)
  • 家賃
  • 設計費(10〜15%)
  • 厨房機器(飲食店)
  • 備品・什器
  • 看板製作費
  • 人材採用費
  • 在庫商品仕入れ(物販)
  • 広告費

第15章 店舗内装工事の成功ポイントまとめ

  1. 物件選びが最重要
  2. 現地調査を丁寧に
  3. 図面(設計)に時間をかける
  4. 法規・申請を早めに行う
  5. 見積りを比較する
  6. 動線と設備計画を最優先
  7. オープン後の運用まで考える

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