店舗内装工事のトレンドについて2025.06.09
店舗内装工事とは何か
店舗内装工事とは、物販店・飲食店・美容室・オフィスなどの商業施設において、営業活動を行うために必要な空間を整える工事のことを指します。単に壁や床を仕上げるだけでなく、空間デザイン・電気設備・給排水・空調・家具・照明などのすべてを含む、いわば「商売の舞台」を作り上げる工程です。
店舗内装工事の目的
- ブランドイメージの体現
店舗の内装は、業種・業態に応じてブランドの世界観を表現する重要な要素です。インテリアのデザイン一つで「高級感」「カジュアルさ」「信頼感」「安心感」など、顧客の第一印象が決まります。 - 顧客導線と売上の最適化
回遊性や視認性、購買導線に配慮したレイアウトは、売上にも直結します。飲食店なら回転率を上げる、物販なら視認性と手に取りやすさを考える、サービス業なら待機スペースとプライバシーの確保が必要になります。 - スタッフの働きやすさ
動線設計や収納の工夫により、従業員が効率的に動ける設計は労働環境の改善とサービス品質の向上にもつながります。
店舗内装工事の主な工程
店舗内装工事は、以下のような工程に分かれます。
1. 企画・コンセプト設計
初期段階では、「どのような空間にしたいか」という店舗の方向性を明確にします。これは内装工事の成功を左右する重要なフェーズです。
- 業種や営業形態の明確化(例:テイクアウト専門か、店内飲食か)
- ターゲット層の設定(年齢層・性別・ライフスタイル)
- 競合店舗との差別化ポイント
- 店舗の立地特性や周辺環境の分析
この段階では、店舗デザインのラフスケッチやコンセプトシートを作成し、方向性を定めます。
2. 現地調査・法規制の確認
出店予定地の現地調査を行い、以下の点を確認します。
- 建物の構造(RC造、S造、木造など)
- 給排水・電気・ガスの容量と配管位置
- 防火区画や避難経路の確認(消防法の遵守)
- テナントビルの内装制限(管理規約など)
この段階では、設計自由度の有無、追加工事の可能性、コストへの影響も把握します。
3. 基本設計・実施設計
企画をもとに、具体的な図面を作成していきます。
- 平面レイアウト図(動線やゾーニング)
- 立面図・展開図(壁や什器の詳細)
- 設備図(照明・電気・空調・給排水の配置)
- パースや3Dイメージ図(イメージ共有)
このフェーズでは建築士やインテリアデザイナー、設備設計者と密接に連携して図面を作成します。
4. 見積もり・予算調整
実施設計ができた段階で、工務店や施工業者に見積もりを依頼します。
- 施工一式見積書
- 設備工事(電気・空調・水道)見積書
- サイン・看板・家具・装飾品の見積書
総額が予算をオーバーする場合は、仕様や素材の見直し、施工範囲の再調整を行います。
5. 着工・施工管理
契約後にいよいよ着工します。以下のような作業が段階的に行われます。
- 解体・スケルトン工事(既存内装の撤去)
- 床・壁・天井下地工事
- 電気・空調・給排水などの設備配管
- 仕上げ工事(床材、壁紙、塗装など)
- 照明・家具・什器設置
- サイン工事(看板やロゴの設置)
現場監督やデザイナーが工程通りに進行しているか、施工品質を確認します。
6. 引き渡し・各種検査
完了後は最終検査(完了検査)を行い、不備がないか確認します。
- 設備機器の動作チェック
- 内装の仕上がりチェック
- 消防署の検査(飲食店・美容室等)
- テナント管理者の検査
検査完了後に店舗を引き渡し、営業開始に向けて準備を進めます。
店舗内装工事で必要な許認可・法令遵守
店舗の種類によっては、内装工事前後に以下のような法的対応が必要です。
1. 建築基準法
内装の構造・避難経路・面積・天井高などに制限があり、特にテナントビルでは共用部との取り合いに注意が必要です。
2. 消防法
火災報知器・誘導灯・非常照明の設置義務があり、消防署への「防火対象物使用開始届」や「設置届出」が必要です。
3. 保健所の営業許可
飲食店、美容院、エステサロンなどは、保健所の検査と許可が必須です。厨房設備やシンクの数、給排水配管の設計に影響があります。
4. 電気・ガスの容量契約
大型冷蔵庫や調理機器を使用する業態では、契約容量が不足しないよう事前に確認と増設を行います。
内装工事の費用相場
業種・規模・デザイン性により費用は大きく異なりますが、おおよその目安は以下の通りです(2025年現在)。業種坪単価(税別)内容飲食店30万~80万円厨房設備・給排水が多く高め物販店20万~50万円比較的シンプル美容院40万~70万円給排水設備・セット面が必要オフィス15万~40万円パーテーションや配線が中心
その他、看板設置・什器・家具・外構工事などが別途かかります。
店舗内装工事の成功ポイント
1. デザインと機能のバランス
デザイン性を重視しすぎると、実用性が損なわれることがあります。特に飲食店では、厨房とホールの動線や換気、清掃性も考慮が必要です。
2. 業者選びの慎重さ
安さだけで選ぶと後悔するケースもあります。以下の点を確認しましょう。
- 実績(特に同業態の内装経験)
- 担当者の対応(レスポンス、提案力)
- 契約内容の明確さ(追加費用の有無)
3. スケジュール管理
店舗オープン日に間に合わせるために、施工スケジュールの確認と余裕を持った工程設定が必要です。物件契約日から逆算して工程を組みます。
最新トレンドとテクノロジーの活用
1. サステナブル内装
再生素材や環境負荷の少ない建材を使用した内装設計が注目されています。SDGsやエコ意識の高い顧客層にも響く店舗づくりが求められます。
2. スマート照明・IoT設備
照明・空調・音響をスマートフォンで制御できるIoT化が進んでいます。快適な環境づくりと省エネ管理にも有効です。
3. フレキシブル設計
ポップアップストアや短期出店に対応するため、可動什器・組み換え可能な内装設計の需要も増えています。
店舗内装工事とブランディングの関係
店舗の内装は、単なる空間づくりではなく、ブランド戦略の一部として機能します。以下のような要素が密接に関係します。
- カラーコーディネート(ロゴや商品イメージに合わせた配色)
- マテリアル(木、金属、石材などの素材感)
- 照明演出(温かさ、明るさ、注目させたいエリアの調整)
- 音響設計(BGMや静寂のコントロール)
- 匂い(アロマや香りによる印象づけ)
五感に訴える店舗体験が、リピーターの獲得やSNSでの拡散にもつながります。
店舗内装工事のリスクとその回避策
- 予算オーバー:仕様の変更や追加工事で費用が膨らむことがあります。見積書の内訳をよく確認し、契約前に「追加費用のルール」を明確にしましょう。
- 工期遅延:天候や資材遅延、職人の不足で工期が伸びるリスクがあります。契約時に遅延時の対応(違約金など)を確認しておきましょう。
- デザインの齟齬:完成後に「イメージと違う」とならないために、CGパースやサンプルで共有することが大切です。
まとめ
店舗内装工事は、単なる「工事」ではなく、「事業の成功を左右する戦略的要素」です。顧客体験・ブランディング・スタッフの働きやすさ・法令遵守・コスト管理など、多くの観点から綿密な計画が求められます。
内装の質が高い店舗は、第一印象で信頼を勝ち取り、集客力を高め、リピーターの定着にもつながります。逆に、どんなに良い商品やサービスがあっても、空間の印象が悪ければ評価されにくい時代です。
だからこそ、経験豊富なパートナーとともに、計画段階からしっかりと準備を行い、理想の空間を実現することが、成功する店舗経営への第一歩となるのです。
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