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店舗内装工事について2026.08.27

店舗内装工事とは?工事内容・流れ・費用・注意点をわかりやすく解説

店舗内装工事とは、飲食店、美容室、物販店、オフィス、クリニック、ホテル、サロンなどの店舗や事業用施設において、建物内部を営業目的に合わせて改修・ निर्माणする工事のことです。

単に壁紙や床をきれいにするだけではありません。店舗の内装工事では、デザイン、動線、設備、厨房、電気、空調、給排水、防災、法令など、多くの要素を総合的に計画する必要があります。

特に新規開業や業態変更を伴う工事では、「おしゃれな店舗をつくる」だけでは不十分です。スタッフが働きやすいこと、来店客が利用しやすいこと、必要な設備が問題なく使用できること、保健所や消防などの基準を満たすこと、予算内で完成させることなどが重要になります。

この記事では、店舗内装工事の基本から、具体的な工事内容、工事の流れ、費用の考え方、失敗しやすいポイントまで詳しく解説します。


1.店舗内装工事とは

店舗内装工事とは、店舗として営業できる状態にするために、建物内部の空間を設計・施工する工事です。

工事内容は物件の状態や業種によって大きく異なります。

例えば、何もないスケルトン物件から飲食店をつくる場合には、以下のような工事が必要になります。

  • 間仕切り工事
  • 軽量鉄骨工事
  • 石膏ボード工事
  • 天井工事
  • 床工事
  • 壁仕上げ工事
  • 塗装工事
  • クロス工事
  • 建具工事
  • 電気工事
  • 照明工事
  • 給排水工事
  • ガス工事
  • 空調工事
  • 換気設備工事
  • 厨房設備工事
  • 防水工事
  • 防災設備工事
  • 家具・什器工事
  • 看板工事

一方、以前も同じような業種で使用されていた居抜き物件の場合は、既存設備を利用できることがあります。そのため、必要な工事を減らして初期費用を抑えることも可能です。

つまり、店舗内装工事はすべて同じ内容ではなく、「物件の状態」「業種」「店舗規模」「既存設備」「予算」によって大きく変わります。


2.店舗内装工事と住宅リフォームの違い

店舗内装工事と住宅リフォームには共通する部分もありますが、店舗工事には事業用建物特有の考え方があります。

住宅の場合は、基本的に住む人の快適性が中心になります。しかし店舗の場合は、快適性だけでなく、営業効率や売上にも大きく関係します。

例えば飲食店では、以下のようなことを考える必要があります。

  • お客様が入店しやすい入口になっているか
  • 注文から料理提供までの動線が短いか
  • スタッフ同士が動きやすいか
  • 厨房設備の配置が適切か
  • 排気能力が十分か
  • 客席数を確保できているか
  • トイレや手洗い設備が適切か

美容室であれば、セット面の間隔、シャンプー台への動線、スタッフスペース、給排水設備、照明計画などが重要になります。

物販店では、商品を見やすく陳列できることや、レジ周辺の動線、防犯対策、ストックヤードの広さなどが重要です。

店舗内装工事では、「見た目」と「使いやすさ」の両方を考えなければなりません。


3.店舗内装工事の主な種類

スケルトンからつくる内装工事

スケルトン物件とは、店舗内部の内装や設備がほとんど撤去され、建物の躯体が見えている状態の物件です。

自由に店舗をつくれるというメリットがありますが、必要な工事が多くなります。

特に以下の設備を新設する場合は費用が大きくなります。

  • 電気容量の増設
  • 給排水設備
  • ガス設備
  • 空調設備
  • 換気設備
  • 防災設備

スケルトン物件では自由度が高い反面、初期費用が高くなりやすいため、事前の予算計画が非常に重要です。

居抜き物件の改装工事

居抜き物件とは、以前の店舗の設備や内装の一部が残っている物件です。

既存の設備を利用できれば、工事費を大幅に削減できる可能性があります。

しかし、注意しなければならないのは、設備が残っているからといって、そのまま使えるとは限らないことです。

例えば、

  • エアコンが古い
  • 排水管が劣化している
  • 換気能力が不足している
  • 電気容量が足りない
  • 厨房設備が故障している

といったケースもあります。

契約前に設備の状態を確認することが重要です。

原状回復工事

退去時に店舗を元の状態へ戻す工事を原状回復工事といいます。

契約内容によっては、入居前の状態ではなく、スケルトン状態まで戻す必要があります。

原状回復費用は、店舗の規模や造作内容によって大きく変わるため、出店時だけでなく退去時の費用も考えておく必要があります。


4.店舗内装工事の主な工事内容

解体工事

既存の内装や設備を撤去する工事です。

居抜き物件の改装では、必要な部分だけを解体するケースもあります。

解体時には、

  • 残す部分
  • 撤去する部分
  • 再利用する設備

を明確にしておく必要があります。

解体前の確認が不十分だと、再利用する予定だった設備や内装を誤って撤去してしまう可能性があります。

軽量鉄骨・間仕切り工事

店舗内部に部屋や壁をつくる工事です。

軽量鉄骨の下地を組み、石膏ボードなどを施工します。

例えば、

  • 厨房と客席の間仕切り
  • バックヤード
  • 更衣室
  • 事務所
  • 倉庫
  • トイレ

などをつくる場合に必要になります。

間仕切り壁は、単純に壁をつくるだけではなく、防音性や耐火性能が必要になる場合もあります。

床工事

店舗の床仕上げにはさまざまな材料があります。

代表的なものとして、

  • フローリング
  • フロアタイル
  • 塩ビタイル
  • 長尺シート
  • クッションフロア
  • タイル
  • カーペット
  • 塗床

などがあります。

飲食店の厨房では、防水性、耐久性、清掃性が重要です。

一方、客席ではデザイン性や歩行感、椅子やテーブルとの相性も考える必要があります。

床材は見た目だけで選ぶのではなく、使用目的に合わせて選ぶことが重要です。

壁・天井工事

壁や天井は、店舗の印象を大きく左右する部分です。

代表的な仕上げには、

  • クロス
  • 塗装
  • 左官仕上げ
  • 木材
  • タイル
  • 化粧板
  • ジョリパット

などがあります。

ただし、厨房や水を使用する場所では、防水性や清掃性も重要です。

デザイン性の高い材料を使用しても、汚れや油が落ちにくければ、営業開始後のメンテナンスが大変になります。

電気・照明工事

店舗では照明計画が非常に重要です。

照明は単に明るくするためだけのものではありません。

例えば、

  • 商品を魅力的に見せる
  • 料理をおいしそうに見せる
  • 落ち着いた雰囲気をつくる
  • 作業しやすくする
  • 店舗のイメージを演出する

といった役割があります。

また、厨房機器や空調設備を使用する場合は、必要な電気容量の確認も必要です。

特に飲食店では、設備を増やした結果、既存の電気容量では足りなくなるケースがあります。

給排水工事

飲食店、美容室、クリニックなどでは、給排水設備が非常に重要です。

給水だけでなく、排水管の位置や勾配も確認する必要があります。

特に飲食店では、グリストラップなどの設備が必要になる場合があります。

排水設備は後から変更すると大規模な工事になる可能性があるため、物件選びの段階から確認することが重要です。

空調・換気工事

店舗の快適性は、空調と換気設備によって大きく変わります。

飲食店では、厨房から発生する熱、蒸気、臭い、煙を適切に処理する必要があります。

空調設備だけを大きくしても、換気計画が不十分であれば、店内環境は改善されません。

例えば、

  • 厨房の排気
  • 給気
  • 客席の換気
  • トイレ換気
  • 空調の位置

などを総合的に計画する必要があります。

厨房設備工事

飲食店では、厨房レイアウトが営業効率に直結します。

厨房内には、

  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫
  • 作業台
  • シンク
  • コンロ
  • フライヤー
  • 食器洗浄機
  • 製氷機

などを設置します。

重要なのは、厨房機器をただ並べることではありません。

「食材を受け取る」「保管する」「下処理する」「調理する」「盛り付ける」「提供する」「食器を洗浄する」という流れを考える必要があります。

動線が悪いと、スタッフの作業効率が低下し、営業開始後に大きな問題になります。


5.店舗内装工事の流れ

店舗内装工事は、一般的に以下の流れで進みます。

1.物件探し

まず、出店するエリアや業種に合った物件を探します。

この段階では、家賃や立地だけではなく、

  • 電気容量
  • ガス
  • 給排水
  • 排気ルート
  • 空調
  • 建物の管理規約
  • 看板設置の可否

などを確認することが重要です。

2.現地調査

施工会社や設計者が現地を確認します。

現地調査では、図面だけでは分からない部分を確認します。

特に既存設備の位置や状態、天井裏、配管経路などは重要です。

3.レイアウト・デザインの計画

店舗のコンセプトや必要な設備をもとに、平面図やレイアウトを作成します。

この段階で、

  • 客席数
  • 厨房の広さ
  • 通路幅
  • レジ位置
  • トイレ位置
  • バックヤード

などを決定します。

4.見積もり

設計内容をもとに工事見積もりを作成します。

見積もりでは、単純に合計金額だけを見るのではなく、工事内容を確認することが重要です。

「一式」と記載されている部分が多い場合は、具体的な内容を確認した方がよいでしょう。

5.着工

工事が開始されます。

一般的には、

解体

設備工事

下地工事

床・壁・天井工事

仕上げ工事

設備取付

清掃・検査

という流れになります。

6.完成・引き渡し

工事完了後、仕上がりや設備の動作を確認します。

問題がなければ引き渡しとなります。

営業開始後に不具合が発生した場合に備え、保証内容や連絡先も確認しておくことが大切です。


6.店舗内装工事の費用は何で決まる?

店舗内装工事の費用は、坪数だけでは決まりません。

同じ10坪の店舗でも、業種によって費用は大きく変わります。

例えば、物販店と飲食店では必要な設備が異なります。

飲食店では、

  • 給排水
  • ガス
  • 厨房設備
  • 換気設備
  • 防水

などが必要になるため、一般的に工事費が高くなりやすい傾向があります。

費用に影響する主な要素は以下のとおりです。

  • 店舗の広さ
  • スケルトンか居抜きか
  • 既存設備の状態
  • 業種
  • 設備のグレード
  • デザイン
  • 工事期間
  • 搬入条件
  • 建物の構造

特に、ビルの上階や搬入が難しい場所では、施工費が増加することがあります。


7.店舗内装工事で追加費用が発生する原因

店舗工事では、工事開始後に追加費用が発生することがあります。

代表的な原因として、

  • 解体後に想定外の設備が見つかった
  • 配管が老朽化していた
  • 電気容量が不足していた
  • 図面と現場の状態が違った
  • 施主側で仕様変更した

などがあります。

特にスケルトン物件や古い建物では、見えない部分に問題があることもあります。

追加工事を減らすためには、契約前に現地調査を十分に行い、工事範囲を明確にすることが重要です。

また、予算をすべて使い切るのではなく、予備費を確保しておくこともおすすめです。


8.店舗内装工事で失敗しやすいポイント

デザインを優先しすぎる

店舗をおしゃれにすることは重要ですが、デザインだけを優先すると使いにくい店舗になる可能性があります。

例えば、客席を増やしすぎて通路が狭くなったり、照明を暗くしすぎて作業しにくくなったりするケースがあります。

店舗では、デザインと機能性のバランスが重要です。

厨房やバックヤードを狭くしすぎる

客席数を増やすために、厨房やバックヤードを狭くしすぎると、営業開始後に問題になります。

スタッフが十分に動けなければ、作業効率が低下します。

内装工事では、営業中の実際の動きをイメージすることが重要です。

設備工事を軽視する

壁や床などの仕上げは完成後に見えますが、配管や配線は完成すると見えなくなります。

しかし、店舗の営業を支えるのは設備です。

給排水や電気、空調、換気などの計画が不十分だと、営業開始後に大きな問題になる可能性があります。

見積金額だけで施工会社を決める

最も安い見積もりが、必ずしも最も良いとは限りません。

見積もり内容が不足している場合、後から追加費用が発生する可能性もあります。

工事金額だけでなく、

  • 見積もりの内容
  • 現地調査の精度
  • 店舗工事の実績
  • 担当者との打ち合わせ

なども確認することが重要です。


9.店舗内装工事を成功させるポイント

店舗内装工事を成功させるためには、最初の計画が非常に重要です。

まず、「どのような店舗にしたいか」を明確にします。

しかし、デザインだけではなく、以下の項目も整理する必要があります。

  • どのようなお客様をターゲットにするか
  • 何人のスタッフで営業するか
  • どのような設備が必要か
  • どのくらいの売上を目標にするか
  • 必要な客席数は何席か
  • 初期費用はいくらまでかけられるか

これらを整理することで、必要な店舗規模や設備が見えてきます。

また、物件を契約する前に施工会社へ相談することも重要です。

物件を契約してから「希望する設備が設置できない」「排気ダクトが施工できない」と分かるケースもあります。

可能であれば、契約前に現地を確認してもらうことがおすすめです。


10.店舗内装工事は完成後の営業を考えて計画する

店舗内装工事では、工事完成時の見た目だけを見るのではなく、営業開始後の使いやすさを考えることが重要です。

例えば、

「掃除しやすいか」

「設備のメンテナンスがしやすいか」

「スタッフが動きやすいか」

「お客様が利用しやすいか」

「故障したときに修理しやすいか」

といった点まで考えておく必要があります。

開業時はきれいな店舗でも、数年後には設備の修理や内装のメンテナンスが必要になります。

そのため、初期費用だけではなく、将来的な維持管理費も考えて材料や設備を選ぶことが重要です。


まとめ

店舗内装工事は、単純に内装をきれいにする工事ではありません。

店舗の業種や営業スタイルに合わせて、デザイン、動線、設備、施工性、コストを総合的に考える必要があります。

特に重要なのは、以下のポイントです。

  • 物件契約前に設備条件を確認する
  • 現地調査を十分に行う
  • デザインだけでなく動線を重視する
  • 電気・給排水・空調・換気を事前に計画する
  • 見積もりの内容を細かく確認する
  • 追加工事に備えて予備費を確保する
  • 営業開始後の使いやすさまで考える

店舗は、完成することが目的ではありません。

完成した店舗でスムーズに営業し、お客様に利用してもらい、長期間にわたって事業を続けられることが本来の目的です。

そのため、店舗内装工事では「見た目の良さ」だけでなく、「働きやすさ」「営業効率」「設備性能」「メンテナンス性」「コスト」のバランスを考えることが、成功する店舗づくりにつながります。

店舗の規模や業種によって必要な工事は大きく異なるため、早い段階から設計者や施工会社と相談し、物件条件と予算を確認しながら計画を進めることが重要です。

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