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店舗内装デザインのプロセスについて2025.10.29

店舗内装デザイン完全解説 ― コンセプトから施工・トレンドまでの全プロセス


第1章 店舗内装デザインとは何か

1-1. 店舗内装デザインの定義

店舗内装デザインとは、商業施設や店舗の内部空間を、**「顧客体験」・「ブランド表現」・「収益性」**の3要素を両立させるために計画・設計する行為を指す。
単なる装飾ではなく、「売上を生み出すための戦略的デザイン」であり、空間構成、照明、素材、動線、家具、色彩、音、香りなど、五感すべてを通じて顧客の行動を設計する。

デザインの目的は、「見た目を整えること」ではなく、「目的(集客・購買・滞在)を達成すること」にある。したがって、内装デザインはマーケティング戦略の延長線上に位置し、ブランドイメージと直結する重要な要素である。


1-2. 店舗デザインの3つの役割

  1. ブランド価値の可視化
     店舗デザインはブランドの「世界観」を空間で表現する。たとえば、スターバックスが木や石など自然素材を多用するのは、「人と人のつながり」「地域との共生」というブランド理念を反映しているためである。
  2. 購買体験の最適化
     動線設計・照明・陳列レイアウトなどを通じ、顧客が自然に商品に手を伸ばしたくなるような環境を作り出す。これは心理学・行動経済学・空間認知科学の応用でもある。
  3. 収益性の最大化
     デザインによって「客単価」「回転率」「リピート率」を高めることが可能である。居心地の良い空間設計は長時間滞在を促し、結果的に売上増につながる。

第2章 店舗内装デザインの基本構成要素

2-1. コンセプト設計

デザインの出発点は「コンセプト設計」である。
コンセプトとは、店舗の存在意義・提供価値・顧客像を一言で表す軸であり、空間づくり全体の基礎となる。

例:

  • カフェ → 「日常の中の小さな非日常空間」
  • アパレル → 「都会的な上質さと、手の届く贅沢」
  • 美容室 → 「五感を整えるリトリートサロン」

コンセプト設計のステップ:

  1. 市場分析(競合・ターゲット・トレンド)
  2. ブランドアイデンティティの抽出
  3. キーワード化(例:「温もり」「透明感」「静謐」など)
  4. ビジュアルボードの作成(イメージ共有)

2-2. 空間構成とゾーニング

空間構成とは、店舗内の各機能(レジ・販売・バックヤード・休憩スペース等)を効果的に配置する設計手法である。
限られた面積の中で「快適な動線」と「効率的な運営」を両立させることが求められる。

主なゾーニングの考え方:

  • メイン動線:入店から購買・退店までの自然な流れを作る。
  • 視線誘導:入口からの見え方で購買意欲を高める。
  • 回遊性:店内を歩き回りたくなるような構成。
  • 視覚的リズム:商品棚・照明・什器のリズムを整える。

2-3. マテリアル(素材)計画

素材選定は、デザインの質感・印象・耐久性に直結する。
内装デザインでは以下のようなバランスが重要である。要素目的推奨素材例床材滑りにくさ・耐摩耗性フローリング、磁器タイル、長尺シート壁面視覚的演出・メンテ性塗装、左官仕上げ、木パネル、タイル天井照明演出・吸音性ボード仕上げ、ルーバー、スラット天井カウンター接客・作業性メラミン、人工大理石、無垢材

特に飲食店では「防火・防汚・清掃性」の観点が重視される。


2-4. 色彩計画(カラースキーム)

色彩は心理的影響が大きく、業種によって最適解が異なる。業種主な色調効果カフェベージュ・ブラウン系安心感・居心地アパレルホワイト・グレー・黒商品を引き立てる美容室ナチュラルウッド+グレージュ清潔感・トレンド感エステパステル・アースカラー癒し・リラックス効果飲食店暖色(赤・橙)食欲促進・活気


2-5. 照明計画

照明は「空間の温度感・印象・視認性」を左右する要素である。

照明の基本種類:

  • 全般照明(Ambient):空間全体を均等に照らす。
  • 局所照明(Task):商品や作業箇所を明るく。
  • 演出照明(Accent):印象的な陰影・焦点を作る。

照明演出のコツ:

  • 色温度(K数)を業種で調整。
     飲食=2700K前後、アパレル=3000〜4000K、美容=4000K以上。
  • 間接照明を活用し、柔らかい雰囲気を演出。
  • ダウンライトやペンダントライトで空間にリズムを。

2-6. 家具・什器デザイン

什器は商品を支える道具であると同時に、ブランドの世界観を形成する重要要素である。

什器デザインの基本原則:

  1. 商品を主役にする(什器が目立ちすぎない)
  2. レイアウトは流れを生む(回遊・滞在を促す)
  3. 移動・拡張の容易さを考慮する(季節展示に対応)
  4. 素材・色を統一する(ブランドトーンに合わせる)

2-7. 音・香り・温度など感覚的要素

空間の印象は視覚だけで決まらない。
音楽・香り・温度・湿度なども「デザインの一部」として計画される。

  • 音楽:テンポ・音量・ジャンルで購買心理を左右。
  • 香り:記憶に残るブランド演出(例:ホテルやアパレルで導入)
  • 空調:快適さ・清潔感・省エネ性を両立。

第3章 店舗内装デザインのプロセス

3-1. 企画・ヒアリング段階

  1. クライアントの要望整理(業態・坪数・ターゲット・予算)
  2. 競合店舗の調査
  3. ブランドヒストリーの分析
  4. イメージボード・参考事例の共有

3-2. コンセプト提案・基本設計

デザイナーはヒアリング結果をもとに、コンセプト案・レイアウトプラン・イメージパースを作成する。
この段階では「方向性」を明確にすることが目的であり、素材や什器の詳細はまだ未確定。


3-3. 実施設計

承認後、施工可能なレベルまで図面化(平面図・展開図・天井伏図・電気配線図・給排水図など)。
法規(建築基準法・消防法・バリアフリー法)を考慮して設計する。


3-4. 見積・施工段階

内装業者(施工会社)が設計図に基づき見積を作成。
複数社比較で「デザイン再現性」と「コストバランス」を確認する。

見積の主な項目:

  • 仮設工事
  • 木工造作
  • 仕上げ工事(塗装・クロス・床)
  • 電気・照明工事
  • 給排水・空調工事
  • サイン・什器工事

3-5. 施工・監理

工事着手後、デザイナーは「現場監理者」として、設計意図が正しく再現されているかを確認する。
仕上げの色味・照明の明るさ・素材感など、微調整が必要なケースも多い。


3-6. 引き渡し・アフター対応

完工後、オーナー立会いのもとで最終検査を行い、是正箇所がなければ引き渡し。
オープン後もメンテナンス・改修・追加什器などをサポートする。


第4章 法規と安全性

4-1. 関連法規

店舗内装デザインに関わる主な法規は以下の通り。法令概要建築基準法用途・面積・構造・防火区画の基準消防法避難経路・内装制限・防炎素材の使用義務労働安全衛生法作業環境の安全確保バリアフリー法車椅子・高齢者対応の動線確保景観条例・看板条例外観・サインデザインの規制


4-2. 内装制限のポイント

特に飲食店や物販店では「防火・防炎素材」の使用が義務づけられている。
また、天井裏の電気配線・換気ダクトなども消防検査の対象となるため、設計段階から消防署との協議が不可欠。


第5章 店舗内装デザインの費用構成

5-1. 一般的な費用相場(坪単価)

業種坪単価(目安)カフェ・飲食店50〜120万円/坪美容室・理容室40〜80万円/坪アパレル・物販30〜70万円/坪エステ・サロン40〜90万円/坪

※デザイン設計費は総工事費の10〜20%程度が目安。


5-2. コストダウンのポイント

  1. 既存設備の再利用
     厨房機器・トイレ・空調を活かすと大幅削減可能。
  2. 素材選定の工夫
     高級素材をポイント使いし、他は低コスト材でバランス。
  3. 什器をモジュール化
     同形状の什器を繰り返し配置すると制作コストが下がる。
  4. 一括発注
     設計・施工一貫体制の会社に依頼することでロスを減らせる。

第6章 店舗内装デザインのトレンド

6-1. サステナブルデザイン

  • 再生木材・リサイクル素材の利用
  • 照明のLED化・省エネ設備
  • 長寿命素材による廃棄削減

6-2. 体験型デザイン(エクスペリエンス重視)

「モノを買う場所」から「体験する場所」へ。
例:ナイキのコンセプトストアでは、試着と同時に体感型のインタラクティブ演出を導入。

6-3. ミニマル&ローカルデザイン

過剰装飾よりも「素材の美しさ」「余白の美」を重視。
地域素材を活かした内装(古材・和紙・左官など)も注目。

6-4. デジタルインテリア

  • デジタルサイネージ
  • AR/VRによる空間演出
  • IoT照明制御
    これらは来店体験のパーソナライズ化を支援する。

第7章 成功する店舗デザインの条件

7-1. 一貫した世界観

ブランド・内装・接客・商品がすべて同じ方向を向いていることが重要。
「空間だけおしゃれ」では成功しない。

7-2. ターゲットへの共感設計

顧客層のライフスタイル・価値観・消費行動を深く理解し、空間に反映する。
たとえばZ世代向けカフェでは、SNS映えを意識したフォトスポットが必須。

7-3. 回遊性と視認性

通路幅・什器高さ・照明位置を最適化し、自然な導線で購買を促す。

7-4. メンテナンス性

開店後の清掃・修繕コストも考慮した設計が長期的な成功につながる。


第8章 店舗内装デザインの実例分析

8-1. (自然素材+地域性)

地域ごとにデザインを変える「リージョナルコンセプト」を導入。
木材・石材など地産素材を使用し、「地域文化と融合した空間」を実現。

8-2. (素材の本質美)

極限まで装飾を排除し、素材そのものの質感を活かす。
空間全体が「無駄を削ぎ落とした清潔感」で統一されている。

8-3. (複合的体験空間)

「本を読む」+「カフェ」+「ライフスタイル提案」を融合。
照明・什器・導線が自然に体験を誘導するよう設計されている。


第9章 デザイナーと施工会社の役割

  • デザイナー:空間の企画・設計・演出を担当(世界観の創造)
  • 施工会社:図面を現実化し、安全・法令・コストを管理(実現のプロ)

両者の協働が品質とコストのバランスを左右する。


第10章 今後の展望

10-1. AIとデザイン

AIによる顧客分析・空間シミュレーションが進化。
個々の顧客データに基づく「パーソナライズド店舗デザイン」が実現しつつある。

10-2. サブスクリプション型店舗

インテリアを「定期更新」する時代。
短期間で内装を変え、常に新鮮な体験を提供するスタイルが拡大。

10-3. 地域連携デザイン

地域文化・工芸・アートを店舗に取り込み、観光資源化する動きも増えている。


第11章 まとめ

店舗内装デザインとは、**「空間を通じて顧客体験を設計すること」**であり、
その核心は「美しさ」よりも「機能」と「感情」の融合にある。

成功する店舗は、

  • 明確なコンセプト
  • 心理的に快適な動線
  • 素材・光・音・香りの調和
  • ブランド体験の一貫性

をすべて満たしている。

店舗デザインは、単なる空間づくりではなく、
**「ブランドを生きた形にする戦略的行為」**であると言える。

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