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店舗内装工事の基本プロセスについて2025.10.27

店舗内装工事とは

店舗内装工事とは、飲食店・物販店・美容室・クリニック・オフィス・サロンなど、顧客を迎える空間をつくるための設計・施工・仕上げ・設備工事の総称です。
単に「見た目を整える工事」ではなく、集客性・機能性・安全性・法令遵守・ブランド表現など、多くの要素を統合した総合的な空間づくりです。

住宅リフォームと異なり、店舗の場合は商業的目的が最優先されます。
つまり、「お客様が来店しやすく」「売上につながる空間」を創ることが、内装工事の最大の目的です。
そのため、デザイン性・動線設計・照明計画・素材選定・防火・給排水・電気容量など、すべてがビジネス戦略と密接に関わります。


1. 店舗内装工事の基本プロセス

店舗の内装工事は、一般的に以下のステップで進行します。

(1) 企画・コンセプト設計

まず、出店する店舗の「コンセプト」を明確にします。
例えば、

  • カフェであれば「居心地のよい時間を過ごせる空間」
  • 美容室であれば「非日常感と安心感を両立したデザイン」
  • 物販店であれば「商品が最も映える照明と導線」

この段階では、ターゲット層・ブランド戦略・立地特性などを踏まえ、デザインや構成を検討します。
デザイナーや施工会社が関与し、ゾーニング計画(入口、客席、バックヤード、トイレなどの配置)を策定します。

(2) 現地調査(現調)

物件の寸法、天井高、配管・配線、ガスや給水・排水の位置、換気経路、防火区画などを確認します。
特に、既存のテナントビルでは設備の制限が多く、たとえば「排気ダクトが外に出せない」「床下に排水勾配が取れない」などの問題が頻発します。
この段階で制約条件を洗い出し、設計に反映します。

(3) 基本設計・実施設計

デザインコンセプトをもとに、具体的な内装図面を作成します。
図面には以下のようなものがあります。

  • 平面図(レイアウト図)
  • 展開図(壁面の仕上げ内容)
  • 天井伏図(照明・換気の位置)
  • 給排水・電気・ガス・空調図
  • 什器図(カウンターや棚の詳細)

実施設計段階で、消防法・建築基準法・保健所の規定なども確認します。

(4) 見積もり・コスト調整

図面をもとに、施工会社が見積書を作成します。
内装工事費は、一般的に1㎡あたり10〜30万円程度が目安ですが、業種やデザイン性によって大きく異なります。
飲食店など設備工事が多い業種では、1㎡あたり40万円を超えることもあります。

見積には以下のような項目が含まれます:

  • 解体・撤去工事費
  • 軽鉄・ボード・塗装・クロスなどの内装仕上げ
  • 給排水・電気・空調・ガスなどの設備工事
  • 看板・サイン工事
  • 仮設工事(養生・廃材処理など)
  • 設計監理費

施主はこの見積を確認し、予算内に収まるよう調整を行います。

(5) 各種申請

店舗内装工事では、多くの申請が必要です。
代表的なものには以下があります:

  • 消防署への防火対象物使用開始届
  • 保健所の営業許可申請(飲食店、美容室など)
  • 建築確認申請(構造や用途変更がある場合)
  • 電力会社やガス会社への使用申請

これらを怠ると営業が開始できないため、設計段階から申請要件を整理しておくことが重要です。

(6) 工事着工

申請・契約が完了すると、いよいよ工事が始まります。
工事は以下のような工程で進行します:

  1. 解体工事:既存内装の撤去、スケルトン状態に戻す。
  2. 墨出し:壁・設備位置を正確に床に記す作業。
  3. 軽鉄・ボード工事:壁・天井の下地を組み立てる。
  4. 電気・給排水・空調設備工事:配管・配線・ダクトを仕込む。
  5. 仕上げ工事:クロス貼り、塗装、床仕上げ、家具設置など。
  6. 什器設置:カウンター、棚、厨房機器などを設置。
  7. サイン工事:外部看板やメニュー板などを取り付け。
  8. クリーニング・検査:仕上げチェック、試運転、引渡し。

工期は規模により異なりますが、小規模店舗なら2〜4週間、飲食店や大型店舗では1〜2か月程度が一般的です。

(7) 完成・引渡し・オープン準備

工事完了後、施主・設計者・施工者で最終検査を行い、問題がなければ引渡しとなります。
その後、什器搬入や備品設置、オープニング準備を経て営業開始です。


2. 店舗内装工事の構成要素

(1) 仕上げ工事(デザインの骨格)

仕上げ工事は、見た目の印象を決める最重要工程です。
壁・床・天井の素材、色、質感がブランドイメージを大きく左右します。

主な仕上げ項目:

  • 床材:タイル、フローリング、モルタル、カーペット、長尺シートなど。
  • 壁仕上げ:クロス、塗装、木板貼り、タイル、左官仕上げなど。
  • 天井仕上げ:化粧ボード、スケルトン天井、塗装、吸音材仕上げなど。
  • 造作家具:カウンター、棚、什器、パーテーションなど。

特に店舗では「素材の選定」が重要です。
耐久性や清掃性、コストに加え、「ブランドの世界観」を伝える表現力が求められます。

(2) 設備工事(見えない部分の要)

店舗の快適性や安全性を支えるのが設備工事です。
代表的なものに以下があります。

■ 電気設備

照明、コンセント、動力電源、配線、分電盤などを整備します。
飲食店では厨房機器が多く、電気容量が不足するケースがよくあります。

■ 給排水設備

シンク・トイレ・手洗い・洗浄機などに必要な給水・排水配管を設けます。
床下勾配が取れない場合は、**排水ポンプ(汚水槽)**を設置することもあります。

■ ガス設備

厨房や給湯に必要なガス管を引き込みます。
建物によっては、ガス供給が制限されるため、電気式機器を採用することもあります。

■ 空調・換気設備

エアコン・換気扇・ダクト・給気口などを設置。
特に飲食店では、排気ダクトの経路が設計上の課題になります。

■ 消防設備

スプリンクラー、火災報知器、消火器、非常灯など。
防火対象物としての基準に従い、消防署の検査が行われます。


3. 業態別・店舗内装工事の特徴

(1) 飲食店

最も設備工事が多い業種。
厨房レイアウト、排気・給排水・防火仕様など、専門性が高い分野です。
また、保健所の規制も厳しく、**手洗いの数や動線分離(生食・加熱・洗浄)**なども審査対象です。

飲食店のポイント:

  • 厨房の配置と導線
  • 排気・換気設計
  • 給排水・グリストラップの設置
  • 客席の快適性と照明演出
  • 防火・防煙対策

(2) 美容室・サロン

水回りが多く、電気容量も大きい。
さらに「デザイン性・雰囲気」が売上に直結します。

ポイント:

  • シャンプー台や鏡の配置
  • 給湯・排水の安定性
  • 照明の色温度(肌色を美しく見せる)
  • 待合スペースの快適性
  • 音響・香りの演出

(3) 物販店

陳列と導線が命。
商品をどう見せるかがデザインの主題となります。

ポイント:

  • 照明と素材のバランス
  • 動線計画(滞留と流れ)
  • レジ・バックヤードの配置
  • ブランドカラーの統一

(4) クリニック・医療系店舗

衛生基準や法規制が厳格です。
内装材には抗菌・耐薬品性の高い素材が用いられます。

ポイント:

  • 清潔ゾーンと汚染ゾーンの分離
  • 待合と診察室のプライバシー設計
  • 医療ガス配管、床材の耐薬性
  • 消防・電気の二重系統化

4. コスト構造と予算の考え方

店舗内装工事費は、業種・規模・デザイン難易度によって大きく変動します。
以下はあくまで一般的な目安です。業種坪単価(概算)特徴カフェ・軽飲食40〜70万円設備・デザインとも中程度居酒屋・レストラン60〜120万円厨房・排気設備が高額美容室50〜100万円水回り・照明・什器コストが高い物販店30〜70万円デザイン重視、設備少なめクリニック70〜150万円法規・衛生仕様で高コスト化

また、初期費用として以下のような項目も発生します:

  • 設計デザイン費:工事費の10〜15%
  • 什器・家具・サイン:工事費の10〜20%
  • 保証金・敷金・仲介手数料(賃貸物件)
  • 開業備品(POS、制服、広告など)

5. 店舗内装工事で重要な法令・規制

(1) 建築基準法

用途変更(例:事務所→飲食店)を行う場合は建築確認申請が必要。
また、防火区画・天井高さ・避難経路なども規制対象です。

(2) 消防法

防火対象物としてのスプリンクラー・報知器・非常照明の設置が義務付けられています。
消防署への着工届・完成届・使用開始届も必要です。

(3) 保健所(営業許可)

飲食店・美容室・クリニックなど、業種ごとに許可基準が定められています。
シンク数、換気、照明、床材、防虫、防湿対策などを確認されます。

(4) 労働安全衛生法

作業員の安全確保のため、現場ではヘルメット・養生・足場・電気安全などが厳格に管理されます。


6. デザインとブランディング

店舗の内装は、単なる見た目ではなく「ブランド体験」の核です。
顧客が店に入った瞬間に感じる印象は、内装デザイン・照明・香り・音・素材感によって決まります。

たとえば:

  • 高級感を出すには「間接照明+自然素材」
  • カジュアル感を出すには「スチール+コンクリート調」
  • 温かみを出すには「木材+暖色照明」

内装工事の成功とは、デザインと機能が融合し、「ブランドの世界観を体験として伝える」ことにあります。


7. 店舗内装工事の失敗例と注意点

  1. 見積もりの比較を怠る → 極端に安い業者は仕上げが粗い。
  2. 現場管理が甘い → 工期遅延・仕上げミス。
  3. 法規確認不足 → 営業許可が取れない。
  4. 設備計画の漏れ → 排気・電気容量不足で改修が必要。
  5. デザイン優先しすぎ → メンテナンス性が悪くなる。

8. 店舗内装工事のトレンド(2020年代〜2025年)

  • サステナブル素材の採用(再生木材・リサイクルタイルなど)
  • 省エネ・LED照明の標準化
  • デジタルサイネージスマートレジの導入
  • **体験型店舗(エクスペリエンスデザイン)**の拡大
  • ミニマル+温かみのある素材感が主流

また、ポストコロナ時代には「換気性能」「非接触導線」「ゆとりのある客席配置」が求められています。


9. 店舗内装工事のまとめ

店舗内装工事とは、単なる空間づくりではなく、事業の成功を左右する総合プロジェクトです。
デザイン・設備・法規・コスト・運営を総合的に考慮し、
「ブランドの価値を空間で伝える」ことこそが目的です。

成功のポイントは次の3つです:

  1. 事業計画と一体化した設計
  2. 現場管理の徹底と法令遵守
  3. 長期的な運用を見据えた素材選定と設備計画

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