マンションリフォームについて2026.09.07
マンションリフォームとは?費用・工事内容・注意点をわかりやすく解説
マンションリフォームとは、マンションの住戸内部を中心に、古くなった設備や内装を新しくしたり、生活スタイルに合わせて使いやすく改善したりする工事のことです。
築年数が経過したマンションでは、キッチン・浴室・トイレなどの設備の老朽化、壁紙や床材の傷み、収納不足、間取りの使いにくさなど、さまざまな問題が発生します。
マンションリフォームでは、これらの問題を改善し、現在のライフスタイルに合った住まいへ変更することができます。
一方で、マンションには戸建て住宅とは異なるルールや構造上の制約があります。管理規約や共用部分の扱い、上下階への騒音対策、配管や構造壁の制限などを理解して計画することが重要です。
この記事では、マンションリフォームの基本から、工事内容、費用相場、注意点、成功させるポイントまで詳しく解説します。
1.マンションリフォームとは
マンションリフォームとは、既存のマンション住戸を改修し、設備や内装、間取りなどを改善する工事です。
代表的な工事には以下があります。
- 壁紙の張り替え
- フローリングの張り替え
- キッチン交換
- ユニットバス交換
- トイレ交換
- 洗面台交換
- 建具交換
- 収納増設
- 間取り変更
- 和室から洋室への変更
- 給排水管更新
- 電気設備更新
- 断熱性能改善
マンションの場合、建物全体を所有しているわけではなく、自分が所有している専有部分と、住民全体で共有している共用部分に分かれています。
そのため、リフォームできる範囲には制限があります。
2.マンションの「専有部分」と「共用部分」
マンションリフォームを考える際に、最初に理解しておきたいのが専有部分と共用部分です。
専有部分
基本的に自分でリフォームできる部分です。
例えば、
- 室内の壁
- 天井
- 床
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面所
- 室内建具
- 収納
などが該当します。
ただし、床材や配管などは管理規約によって制限される場合があります。
共用部分
共用部分はマンション住民全体で使用・管理する部分です。
代表的なものは、
- 外壁
- 廊下
- エントランス
- エレベーター
- 階段
- バルコニー
- 窓
- 玄関ドア
- 建物の構造部分
などです。
基本的には個人の判断でリフォームできません。
例えば、窓を交換したい場合でも、窓サッシは共用部分として扱われるケースが多く、勝手に変更することはできません。
玄関ドアも同様です。
ただし、玄関ドアの内側の塗装や、室内側の装飾については認められる場合があります。
マンションごとに管理規約が異なるため、必ず事前確認が必要です。
3.マンションリフォームで人気の工事
マンションリフォームにはさまざまな種類があります。
ここでは代表的な工事を紹介します。
壁紙・クロスの張り替え
もっとも手軽なマンションリフォームの一つです。
壁紙を張り替えるだけでも部屋の印象は大きく変わります。
一般的な白い壁紙だけでなく、
- 木目調
- コンクリート調
- タイル調
- 石目調
- アクセントクロス
などを使用することで、デザイン性の高い空間にすることができます。
築10年以上のマンションでは、壁紙の汚れや黄ばみが目立つことも多いため、定期的な張り替えがおすすめです。
フローリングの張り替え
床は室内の面積が大きいため、リフォームによる印象の変化が大きい部分です。
マンションでは、
- フローリング
- フロアタイル
- クッションフロア
- カーペット
などの床材が使用されます。
ただし、マンションでは遮音性能が重要です。
管理規約で、
「LL45以上」
「LL40以上」
などの遮音等級が指定されている場合があります。
そのため、デザインだけで床材を選ぶのではなく、管理規約に適合した商品を選ぶ必要があります。
キッチンリフォーム
マンションリフォームの中でも人気が高い工事です。
古いマンションでは、
- キッチンが狭い
- 収納が少ない
- 作業スペースが狭い
- 換気性能が低い
といった問題があります。
リフォームでは、
- システムキッチン交換
- 食洗機設置
- IHコンロ導入
- ガスコンロ交換
- レンジフード交換
- カップボード設置
などを行うことができます。
また、壁付けキッチンを対面キッチンに変更するリフォームも人気です。
ただし、排水管の位置や換気ダクトの経路によっては、大規模な変更が難しい場合があります。
4.浴室リフォーム
マンションの浴室はユニットバスが採用されていることが多いです。
築年数が経過すると、
- カビ
- 水垢
- 排水不良
- 換気性能低下
- 給湯器の老朽化
などの問題が発生します。
ユニットバス交換では、
- 浴槽
- 壁パネル
- 床
- シャワー
- 水栓
- 換気扇
などを新しくします。
最近では、
- 浴室乾燥機
- 保温浴槽
- 節水シャワー
- 手すり
- 滑りにくい床
などを導入する人も増えています。
マンションの場合、既存の浴室スペースのサイズに合わせてユニットバスを選ぶ必要があります。
戸建て住宅と違い、サイズを自由に変更できないケースもあります。
5.トイレリフォーム
トイレリフォームでは、
- 便器交換
- 温水洗浄便座交換
- 壁紙張り替え
- 床材張り替え
- 手洗い器設置
などを行います。
古いマンションでは排水方式によって設置できる便器が異なる場合があります。
特に注意したいのが排水位置です。
マンションでは床排水だけでなく、壁排水タイプもあります。
そのため、既存の排水方式を確認してから商品を選ぶ必要があります。
6.洗面所リフォーム
洗面所では、
- 洗面化粧台交換
- 収納増設
- 床張り替え
- クロス張り替え
- 洗濯機パン交換
などを行います。
最近では収納力の高い三面鏡タイプや、ホテルライクな造作洗面台も人気があります。
洗面所は比較的狭い空間ですが、収納計画を工夫することで使いやすさが大きく向上します。
7.和室から洋室へのリフォーム
築年数の古いマンションでは、和室がある間取りも多く見られます。
しかし、現代のライフスタイルでは、
- ベッドを使用したい
- 洋室として使いたい
- 子供部屋にしたい
- リビングを広くしたい
という理由から和室を洋室へ変更するケースが増えています。
主な工事内容は、
- 畳撤去
- 床下地工事
- フローリング施工
- 壁紙張り替え
- 押入れをクローゼットへ変更
などです。
和室を完全に洋室化するだけでなく、畳スペースを残した小上がりにするデザインも人気です。
8.間取り変更リフォーム
マンションリフォームの中でも大規模な工事が間取り変更です。
例えば、
- 3LDKを2LDKに変更
- 和室をなくしてLDKを拡張
- 壁付けキッチンを対面キッチンに変更
- 個室を増やす
- 収納スペースを増やす
などがあります。
ただし、マンションでは撤去できない壁があります。
代表的なのが構造壁です。
鉄筋コンクリート造のマンションでは、建物を支えている壁を撤去することは基本的にできません。
一方、間仕切り壁であれば撤去できる可能性があります。
間取り変更を希望する場合は、構造を理解した施工会社に調査してもらうことが重要です。
9.マンションリフォームの費用相場
マンションリフォームの費用は工事内容によって大きく異なります。
一般的な目安は以下の通りです。工事内容費用目安クロス張り替え10万円〜50万円フローリング張り替え20万円〜80万円キッチン交換70万円〜200万円浴室交換80万円〜180万円トイレ交換15万円〜50万円洗面台交換15万円〜50万円建具交換20万円〜100万円和室から洋室30万円〜100万円間取り変更100万円〜500万円フルリフォーム500万円〜1,500万円以上
マンションの広さや築年数、設備グレードによって費用は変動します。
10.マンションフルリフォームの費用
マンション全体を改修するフルリフォームの場合、一般的には500万円から1,500万円程度が目安になります。
例えば70㎡程度のマンションで、
- キッチン交換
- 浴室交換
- トイレ交換
- 洗面台交換
- フローリング
- クロス
- 建具
- 間取り変更
まで行う場合、800万円から1,200万円程度になるケースもあります。
設備を高級グレードにするとさらに費用は上がります。
11.マンションリフォームの坪単価
マンションフルリフォームの坪単価は、一般的に30万円〜80万円程度が目安です。
ただし、坪単価だけで判断するのは危険です。
例えば、
設備交換中心のリフォームと、
間取り変更・配管交換・断熱工事まで含むリフォームでは、同じ面積でも費用が大きく異なります。
坪単価はあくまで参考程度に考えることが重要です。
12.築年数別のマンションリフォーム
マンションは築年数によって必要な工事が異なります。
築10年〜20年
比較的新しいマンションです。
主な工事は、
- クロス張り替え
- 床材交換
- 水栓交換
- 給湯器交換
- トイレ交換
などです。
設備の寿命が近づき始める時期でもあります。
築20年〜30年
水回り設備の老朽化が目立ち始めます。
おすすめの工事は、
- キッチン交換
- 浴室交換
- トイレ交換
- 洗面台交換
- 給湯器交換
です。
また、給排水管の劣化も確認した方がよい時期です。
築30年以上
大規模なリフォームを検討する人が増えます。
- 間取り変更
- 配管更新
- 電気配線更新
- 断熱工事
- フローリング
- 建具
- 水回り設備
などをまとめて工事するケースがあります。
築古マンションでは見た目だけでなく、建物内部の設備更新が重要です。
13.マンションリフォームで注意する管理規約
マンションには管理規約があります。
リフォームを行う前には必ず確認する必要があります。
代表的な規制には以下があります。
床材の遮音性能
フローリングの遮音等級が指定されている場合があります。
工事可能時間
平日9時〜17時など、工事時間が決められている場合があります。
工事可能曜日
土日祝日の工事が禁止されているマンションもあります。
申請書類
工事前に、
- リフォーム申請書
- 工事届
- 図面
- 工程表
などの提出を求められる場合があります。
工事業者の指定
マンションによっては施工業者に保険加入証明や誓約書の提出を求めるケースもあります。
14.マンションでできないリフォーム
マンションでは、希望するすべての工事ができるわけではありません。
代表的な制限があります。
構造壁の撤去
建物を支えている壁は撤去できません。
窓の交換
窓サッシは共用部分扱いになることが多く、個人で交換できない場合があります。
玄関ドア交換
玄関ドアも共用部分扱いになることが多いため、自由に交換できないケースがあります。
配管位置の大幅変更
排水管の勾配が必要なため、水回りを大きく移動できない場合があります。
15.水回り移動の注意点
マンションリフォームで多い要望が、
「キッチンの位置を変えたい」
「浴室の場所を変更したい」
「洗面所を移動したい」
というものです。
しかし、水回りの移動には排水管の勾配が必要です。
排水は自然に流れるため、配管に適切な傾斜をつけなければなりません。
マンションでは床下スペースが限られているため、大きな移動が難しいことがあります。
場合によっては床を上げて配管スペースを確保する必要があります。
16.マンションリフォームと騒音問題
マンションリフォームでは騒音対策が非常に重要です。
工事中には、
- 解体音
- 電動工具の音
- 搬入作業
- 振動
などが発生します。
また、リフォーム後の生活音にも注意が必要です。
特にフローリングを変更する場合、遮音性能が低い床材を使用すると、下階への足音が問題になる可能性があります。
管理規約を守った床材選びが重要です。
17.マンションリフォームの工事期間
工事期間の目安は以下です。工事内容工期目安クロス張り替え2日〜1週間フローリング3日〜1週間キッチン交換3日〜1週間浴室交換3日〜1週間水回り一式1週間〜2週間部分リフォーム1週間〜1か月フルリフォーム1か月〜3か月
間取り変更や配管工事を伴う場合はさらに時間がかかることがあります。
18.マンションリフォームの流れ
一般的な流れは以下の通りです。
1.現地調査
施工会社が現地を確認します。
2.要望確認
予算や希望するデザイン、設備などを打ち合わせします。
3.プラン作成
図面や見積書を作成します。
4.管理組合へ申請
必要な書類を提出します。
5.近隣への挨拶
上下左右の住戸へ工事の挨拶を行います。
6.工事開始
解体、設備、電気、内装工事などを行います。
7.完了検査
施工内容を確認します。
8.引き渡し
問題がなければ工事完了です。
19.マンションリフォームで失敗しないためのポイント
管理規約を最初に確認する
工事を計画してから制限が発覚すると、プラン変更が必要になる場合があります。
最初に確認することが重要です。
予算に余裕を持つ
古いマンションでは、解体後に問題が発見されることがあります。
例えば、
- 配管劣化
- 下地腐食
- 漏水跡
- 電気配線劣化
などです。
予算の10%〜20%程度は予備費として考えておくと安心です。
デザインだけで決めない
おしゃれな内装にすることも重要ですが、生活動線や収納量も重要です。
例えば、
- 洗濯動線
- キッチン動線
- 玄関収納
- ゴミ置き場
- 掃除用品収納
なども計画する必要があります。
20.マンションリフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーションは似ていますが、一般的には以下のような違いがあります。
リフォーム
古くなったものを新しくする工事です。
例えば、
- クロス張り替え
- キッチン交換
- 浴室交換
- 床張り替え
などです。
リノベーション
既存の住宅に新しい価値を加える大規模な改修です。
例えば、
- 間取り変更
- スケルトンリフォーム
- 断熱性能向上
- 配管更新
- デザイン変更
などが該当します。
ただし、実際にはリフォームとリノベーションの境界は明確ではありません。
21.マンションスケルトンリフォームとは
スケルトンリフォームとは、室内の内装や設備を解体し、コンクリートの躯体に近い状態まで戻して全面的に改修する工事です。
主な工事内容は、
- 間仕切り撤去
- 天井解体
- 床解体
- 水回り撤去
- 配管交換
- 電気配線更新
などです。
その後、
- 新しい間取り
- 新しいキッチン
- 新しい浴室
- 新しい床
- 新しい壁
- 新しい収納
を施工します。
築30年以上の中古マンションを購入して、自分好みに作り変える場合に多く採用されます。
22.中古マンション購入+リフォーム
近年人気が高いのが、中古マンションを購入してリフォームする方法です。
新築マンションより購入価格を抑えられる場合があり、その分をリフォーム費用に使うことができます。
例えば、
中古マンション購入価格:3,000万円
リフォーム費用:800万円
合計:3,800万円
という考え方です。
新築マンションよりも立地条件が良い中古マンションを選べる可能性もあります。
ただし、購入前に、
- リフォーム可能範囲
- 管理規約
- 配管状況
- 建物構造
- 修繕計画
などを確認することが重要です。
23.マンションリフォームで資産価値を高める方法
マンションリフォームは住みやすさだけでなく、資産価値を高めることもできます。
特に重要なのは、
- 水回り設備更新
- 収納改善
- 間取り改善
- 内装デザイン
- 断熱性能
- 配管更新
です。
ただし、過度に個性的なデザインは売却時に購入希望者が限定される可能性があります。
将来売却を考えている場合は、シンプルで万人受けしやすいデザインを基本にし、アクセントクロスや家具などで個性を出す方法がおすすめです。
24.マンションリフォーム会社の選び方
施工会社選びは非常に重要です。
以下のポイントを確認しましょう。
マンション工事の実績
戸建てとマンションでは施工方法や管理ルールが異なります。
マンションリフォームの経験が豊富な会社がおすすめです。
見積書の詳細
「リフォーム工事一式」とだけ記載されている見積書は注意が必要です。
工事項目ごとに、
- 数量
- 単価
- 材料費
- 施工費
が記載されているか確認しましょう。
現地調査の丁寧さ
優良な施工会社は、
- 管理規約
- 構造
- 配管
- 電気設備
- 搬入経路
まで確認します。
アフターサービス
工事完了後の保証内容も重要です。
25.マンションリフォーム費用を抑える方法
費用を抑えるためには以下の方法があります。
既存設備の位置を変えない
キッチンや浴室の位置を変更すると、
- 配管工事
- 床工事
- 電気工事
が増えます。
位置を変えずに設備だけ交換すると費用を抑えやすくなります。
設備グレードを調整する
キッチンや浴室には、
- 普及グレード
- 中級グレード
- 高級グレード
があります。
必要以上に高級な設備を選ばず、自分に必要な機能を整理することが重要です。
工事をまとめて行う
将来的に必要になる工事をまとめることで、養生費や解体費などを効率化できる場合があります。
例えば、
キッチンだけを交換するより、
キッチン・床・クロスを同時に工事する方が、工事全体の効率が良くなる場合があります。
26.マンションリフォームの補助金
マンションリフォームでは、工事内容によって補助金や助成制度を利用できる場合があります。
代表的な対象工事には、
- 省エネ設備
- 断熱改修
- 高効率給湯器
- バリアフリー工事
- 節水設備
などがあります。
ただし、補助金制度は年度によって内容が変更されるため、工事前に最新情報を確認する必要があります。
また、申請のタイミングを間違えると補助金を利用できない場合もあります。
27.マンションリフォームの今後
マンションリフォーム市場は今後も需要が高まると考えられます。
理由として、
- 中古マンションの増加
- 新築マンション価格の上昇
- 空き家問題
- ライフスタイルの多様化
- 在宅勤務の増加
- 高齢化
などがあります。
特に、
「中古マンションを購入して自分好みにリフォームする」
という住宅購入スタイルは今後も増えていくと考えられます。
まとめ
マンションリフォームは、現在の住まいをより快適で使いやすい空間へ改善するための有効な方法です。
壁紙や床の張り替えといった比較的小規模な工事から、キッチン・浴室などの水回り交換、間取り変更、スケルトンリフォームまで、目的や予算に合わせてさまざまな選択肢があります。
ただし、マンションには戸建て住宅とは異なる制約があります。
特に重要なのは、
- 管理規約の確認
- 専有部分と共用部分の区別
- 床材の遮音性能
- 構造壁の確認
- 配管位置の確認
- 工事時間の制限
です。
マンションリフォームを成功させるためには、デザインや価格だけで施工会社を選ぶのではなく、マンション工事の経験が豊富な会社に相談することが重要です。
また、築年数が古いマンションでは、見た目のリフォームだけではなく、給排水管や電気設備など、見えない部分の更新も検討する必要があります。
これからマンションリフォームを検討する場合は、「どのような生活をしたいのか」を明確にし、予算・デザイン・機能性・将来性のバランスを考えながら計画することが、後悔しないマンションリフォームにつながります。
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