マンションリノベーションについて2026.02.06
1. マンションリノベーションとは何か
「直す」ではなく「再定義する」行為
マンションリノベーションとは、単なる老朽部分の修繕や設備交換ではない。
住まいの価値・意味・使われ方そのものを再構築する行為だ。
よく混同されがちだが、
- リフォーム:壊れた・古くなった部分を“元に戻す”
- リノベーション:今と未来の暮らしに合わせて“作り替える”
この違いは決定的だ。
たとえば
- 壁紙を張り替える → リフォーム
- 間取りを変え、生活動線そのものを再設計する → リノベーション
マンションリノベーションは、
「この家でどう生きるか」をゼロベースで設計し直すプロジェクトだと言っていい。
2. なぜ今、マンションリノベーションなのか
新築神話の終焉と「編集する住まい」
日本では長らく
「新築=正義」「中古=妥協」
という価値観が支配的だった。
しかし、現実はもう違う。
2-1. 新築マンションの限界
- 価格高騰(立地が良いほど手が届かない)
- 間取りの画一化(70㎡・3LDK量産型)
- デベロッパー都合の設計(住む人視点ではない)
要するに
「高いのに、自分たちらしく住めない」。
2-2. 中古×リノベの合理性
一方、中古マンション+リノベーションはこうだ。
- 良立地を現実的な価格で取得できる
- スケルトンに近い自由度
- 価値を「買う」のではなく「つくる」
今は
建物そのものより「編集力」が問われる時代。
マンションリノベーションは、その最前線にある。
3. マンション特有の前提条件
戸建てとの決定的な違い
マンションリノベーションを語るうえで、
絶対に外せないのが**「専有部分と共用部分」**の考え方だ。
3-1. 専有部分とは
原則として、
- 室内側の壁仕上げ
- 床仕上げ
- 天井仕上げ
- 設備機器(キッチン・浴室・トイレなど)
これらはリノベーション可能。
3-2. 共用部分とは
一方、原則触れないのが、
- 構造躯体(柱・梁・床スラブ)
- 外壁
- サッシ(窓)
- 玄関ドア
- 共有配管の一部
特に重要なのが
管理規約>個人の希望
というマンション特有のルールだ。
4. 管理規約という「絶対法典」
リノベの成否を分ける最大要因
マンションリノベーションで最初に確認すべきもの。
それが管理規約・使用細則だ。
代表的な制限例
- 床材の遮音等級(LL-45 / L-40 など)
- 水回り移動の可否
- 間取り変更の制限
- 工事可能時間・期間
- 申請書類のフォーマット
ここを軽視すると、
「設計はできたが工事できない」
という地獄を見る。
優秀なリノベ会社ほど、
初動で管理規約を読み込み、設計に反映する。
5. マンションリノベーションの基本スキーム
全体像を掴む
大枠の流れは以下の通りだ。
- 物件探し(中古マンション)
- 管理規約・建物調査
- ライフスタイル整理
- プラン設計
- 見積・調整
- 管理組合申請
- 解体・施工
- 完成・引き渡し
重要なのは
③ライフスタイル整理がすべての起点
という点。
図面から考える人ほど、失敗しやすい。
6. 間取りは「機能」ではなく「戦略」
生活は動線で決まる
マンションリノベーションでよくある勘違いが、
「広いLDKにしたい」
「おしゃれなキッチンが欲しい」
という形からの発想。
本質は逆だ。
- 朝どう動くのか
- 仕事はどこでするのか
- 家事は誰が、どう分担するのか
- 帰宅後、どこに物を置くのか
これらの行動の連なり=動線を設計し、
その結果として間取りが生まれる。
7. スケルトンリノベーションという選択
マンションリノベの王道
多くのマンションリノベで採用されるのが
スケルトンリノベーションだ。
スケルトンとは
- 内装をすべて解体
- 構造躯体だけ残す
- ゼロから再構築
メリット
- 間取り自由度が高い
- 配管・配線を刷新できる
- 断熱・遮音を改善できる
デメリット
- コストが上がる
- 工期が長い
- 仮住まいが必要な場合あり
だが、
「住まいを本気で再定義する」ならほぼ必須とも言える。
8. コスト構造のリアル
お金のかかる場所は決まっている
マンションリノベーション費用は
ざっくりこう分解できる。
- 解体工事
- 大工工事
- 設備工事(電気・給排水・空調)
- 仕上げ工事
- 設備機器
- 設計・管理費
重要なのは
見える部分より、見えない部分に金がかかる
という事実。
見た目だけ安く整えても、
10年後にツケを払うことになる。
9. 「正解」は一つもない
だからリノベは面白い
マンションリノベーションに
テンプレートの正解は存在しない。
- 子育て期
- 共働き
- 在宅ワーク
- 老後
- 単身
- DINKs
同じ70㎡でも、
最適解は人の数だけある。
だからこそ、
設計者・施工者・施主の三者が
同じ目線で考える必要がある。
10. マンションリノベーションが失敗する本当の理由
デザインでもお金でもない
失敗事例を山ほど見てきて断言できる。
マンションリノベの失敗理由は、だいたいこの3つに集約される。
- 前提条件の理解不足
- 順番の間違い
- プロ選びのミス
順に解体する。
11. 前提条件の理解不足
「できると思っていた」が命取り
典型的な失敗例。
- キッチンを大きく移動したい
→ 排水勾配が取れず不可 - 窓を大きくしたい
→ サッシは共用部分で変更不可 - 天井を高くしたい
→ 上階の床スラブが制限
つまり
マンションは「自由に見えて自由じゃない」。
これを知らずに理想を膨らませるほど、
後半でストレスと妥協が爆発する。
12. 順番の間違い
「物件→設計」ではない
多くの人がこう動く。
- 気に入った中古マンションを買う
- そのあとでリノベ会社に相談する
これは運ゲーだ。
正解は、
- ライフスタイルを言語化
- それを実現できる「物件条件」を定義
- その条件に合う中古マンションを探す
- 購入前にリノベ前提でチェック
設計目線を先に持つ。
これだけで成功確率が跳ね上がる。
13. プロ選びのミス
「安い」「おしゃれ」だけで決めるな
マンションリノベのプロには種類がある。
- 不動産寄り
- デザイン寄り
- 施工寄り
- 設計監理型
重要なのは
自分たちが何を重視するかと
その分野に強い会社を選ぶこと。
インスタが映えても、
管理組合対応が弱い会社は地雷だ。
14. 物件選び:ここを見ない人は失敗する
表面より“骨格”
中古マンションを見るとき、
多くの人はこう見る。
- 日当たり
- 眺望
- 内装のきれいさ
でもリノベ前提なら、
本当に見るべきはここ。
14-1. 構造種別
ラーメン構造 vs 壁式構造
ラーメン構造
- 柱と梁で支える
- 間取り変更しやすい
- リノベ向き
壁式構造
- 壁で建物を支える
- 壁撤去不可が多い
- 制約が強い
図面に
「構造壁」「耐力壁」
この文字が多いほど要注意。
14-2. スラブ厚
床の厚みだ。
- 薄い(150mm前後)
→ 遮音・段差・配管に不利 - 厚い(200mm以上)
→ 自由度・性能ともに有利
スラブ厚は
住み心地と自由度の土台。
14-3. 天井高
完成後ではなく、スラブ下〜スラブ上を見る。
- 2400mm以上 → 余裕
- 2300mm前後 → 工夫必須
- 2200mm以下 → 覚悟
マンションリノベでは
天井がすべてを支配すると言っても過言じゃない。
15. 配管と水回りの現実
夢を壊すが、避けて通れない
水回り移動は
マンションリノベ最大の鬼門。
制約の正体
- 排水は「勾配」が必要
- 床下に高さが必要
- 共有立管の位置固定
結果、
- トイレは大きく動かせない
- 浴室移動はほぼ不可能なケースも多い
リノベ経験の浅い人ほど、
「自由に動かせる」と言いがちなので注意。
16. 管理組合対応のリアル
ここで揉めると全て止まる
管理組合は敵ではない。
だが、説得の論理が必要だ。
重要ポイント
- 騒音・振動対策
- 養生計画
- 工事時間厳守
- 書類不備ゼロ
この対応力で
リノベ会社の格がバレる。
17. 解体して初めてわかる現実
「想定外」は必ず起きる
マンションリノベでは
解体後にこうなることが珍しくない。
- 図面と配管位置が違う
- 断熱材が入っていない
- 下地がボロボロ
だからこそ、
- 予備費(10〜15%)
- 現場対応力
ここを軽視すると
後半で地獄を見る。
18. 成功する人の共通点
完璧を求めない
成功する施主はこう考えている。
- 「8割満足でOK」
- 「想定外を楽しむ」
- 「プロに任せるところは任せる」
リノベーションは
コントロールしすぎると破綻する。
19. 良いプランは「間取り」から始まらない
生活の解像度がすべてを決める
失敗するプランニングの典型はこれ。
「LDKは20畳ほしい」
「3LDKにしたい」
「ワークスペースが欲しい」
一見まともだが、全部浅い。
優れたマンションリノベの設計は、
こういう質問から始まる。
- 平日の起床から外出まで、何分で何をするか
- 帰宅直後、バッグはどこに置くか
- 洗濯は夜か朝か、誰がやるか
- 仕事は集中型か、通話が多いか
- 来客頻度は? 泊まりは?
これを分単位・動作単位で言語化する。
間取りはその「結果」にすぎない。
20. LDK神話を疑え
「広い=快適」ではない
マンションリノベで
ほぼ全員が言う。
「LDKは広くしたい」
でも実際に住んでみると、
広すぎるLDKほど居場所を失うケースも多い。
問題点
- 役割が曖昧になる
- 家具配置が難しい
- 冷暖房効率が落ちる
- “だだっ広いだけ”になる
重要なのは
広さよりゾーニング。
21. LDKは「一室」ではなく「複合空間」
グラデーションで考える
うまくいくLDKは、こう分解されている。
- 集中ゾーン(仕事・読書)
- くつろぎゾーン(ソファ・TV)
- アクティブゾーン(キッチン・ダイニング)
壁で区切らなくてもいい。
床材・天井・照明・家具で心理的に切る。
これができると、
同じ20畳でも体感はまるで違う。
22. キッチンは「設備」ではない
家族関係を規定する場所
マンションリノベで
キッチンの選択は思想そのもの。
22-1. 対面キッチンが向く人
- 会話しながら料理したい
- 子どもや家族の気配を感じたい
22-2. 壁付けキッチンが向く人
- 料理に集中したい
- 見せたくない
- ダイニングを広く取りたい
流行で選ぶと
100%後悔する。
23. 個室は「数」より「意味」
3LDK幻想からの脱却
よくあるリノベ後の悲劇。
- 使われない個室
- 物置化する部屋
- “とりあえず作った”和室
個室はこう考える。
- 何のために存在するか
- 何年使うか
- 使われなくなったらどう変化させるか
可変性を前提に設計するのがプロ。
24. 収納=「面積」ではない
失敗の9割は配置ミス
収納不足より厄介なのが
収納の場所が悪いこと。
- 玄関にない
- 洗濯動線上にない
- 寝室に偏っている
収納は
**物が発生する場所の「1歩以内」**にあるべき。
大きな納戸1つより、
小さな収納を適材適所に。
25. 在宅ワークという新しい前提
もはや例外ではない
マンションリノベで
在宅ワーク対応は標準仕様。
ただし、
- 書斎を作ればOK
- ワークデスクを置けばOK
これは浅い。
本当に考えるべきこと
- 音の遮断
- オン/オフの切り替え
- 背景(WEB会議)
- 家族動線との干渉
「半個室」「こもり感」
このあたりがキーワード。
26. 生活動線の設計
家事はデザインできる
良いマンションリノベは、
家事が自然に終わる。
- 洗う → 干す → しまう
- 脱ぐ → 洗う → 収納
この一連の流れを
1ルートで完結させる。
家事動線=疲労設計。
27. 照明は最後に考えるな
空間の8割は光で決まる
よくある失敗。
「照明は後で決めます」
それ、もう失敗が確定してる。
マンションリノベでは
照明は「設備」じゃない。
空間設計そのもの。
- 間接照明
- ダウンライト
- スポット
- 明暗の差
これがないと、
どんなに良い内装でも安っぽく見える。
28. コンセプトは「一文」で言えるか
設計の羅針盤
成功するリノベには、必ずある。
「この家は〇〇な暮らしのための家」
この一文がブレると、
- 仕様が増える
- 予算が膨らむ
- 判断が遅れる
設計者と施主が
同じ一文を共有できているか。
これが完成度を決める。
29. マンションリノベの完成度は「触れない部分」で決まる
見た目は3割、残りは全部性能
SNSや事例写真で評価されがちなのは、
- フローリング
- キッチン
- タイル
- 照明
でも実際に住み始めてから
満足度を支配するのは別物。
- 足音
- 冬の寒さ
- 夏の暑さ
- 生活音
- 結露
- カビ
これらは全部、
素材と性能の設計ミスが原因だ。
30. 床材選びは「好み」じゃない
マンションでは遮音が最優先
マンションリノベで床を決めるとき、
最初に確認すべきは 管理規約。
30-1. 遮音等級とは何か
よく出てくる記号:
- LL-45
- LL-40
数字が小さいほど、遮音性能が高い。
多くのマンションでは
LL-45以上が必須条件。
30-2. 無垢フローリングの現実
憧れる人は多いが、現実はシビア。
- そのままでは遮音NG
- 二重床+遮音下地必須
- コスト増
- 施工精度が命
「無垢っぽい見た目」で
複合フローリングを選ぶ判断も、
立派な“正解”。
31. 二重床は万能ではない
高さ・音・コストのトレードオフ
マンションリノベでよく使われる
二重床構造。
メリット
- 配管・配線自由度UP
- 床レベル調整
- 遮音対策しやすい
デメリット
- 天井が低くなる
- コスト増
- 床鳴りリスク
天井高がギリギリの物件で
二重床を入れると、
圧迫感地獄になる。
32. 壁材:クロスか、塗りか、板か
耐久とメンテの視点を持て
32-1. クロス(壁紙)
- コスト安
- 種類豊富
- 張替え前提
賃貸的なイメージを持つ人もいるが、
選び方次第で十分上質になる。
32-2. 塗装・左官
- 質感が出る
- 経年変化を楽しめる
- 補修が難しい
「一生モノ」ではない。
味か、ストレスかは人を選ぶ。
32-3. 木・ボード系
- 雰囲気最強
- 施工精度が命
- 反り・割れの理解必須
デザイン重視ならアリだが、
全面採用は覚悟が必要。
33. 天井は“削る”より“整える”
高さ信仰は危険
マンションリノベあるある。
「天井は抜いて、梁を出したい」
確かに見た目はカッコいい。
だが現実はこうだ。
- 配線が露出
- 断熱が弱くなる
- 音が反響する
- 将来メンテが地獄
天井は
高さより“設え”。
間接照明・段差・素材で
体感は十分に変えられる。
34. 遮音設計は「床だけ」じゃない
音は回り込む
下階トラブルで多いのが、
「床は規約通りなのに、苦情が来た」
原因はこれ。
- 壁越し
- 配管伝い
- 天井反響
有効な対策
- 生活音が出る部屋を上下で合わせない
- 配管周りの防音
- 吸音素材の活用
遮音は
構造+間取り+素材の総合戦。
35. 断熱は「マンションだから不要」は嘘
実は一番コスパがいい投資
築年数が古いマンションほど、
- 外壁断熱なし
- 窓は単板ガラス
- 結露多発
断熱を入れるだけで、
- 冬の底冷えが消える
- 夏のエアコン効率UP
- 結露・カビ減少
35-1. 内断熱の現実
- 壁をふかす
- 面積が少し減る
- 施工精度が重要
でも、
体感の差は圧倒的。
36. 窓は変えられない、だから工夫する
サッシは共用部分
マンションでは原則、
- サッシ交換不可
だから代替策を使う。
- 内窓(二重窓)
- ハニカムスクリーン
- 厚手カーテン
特に内窓は、
- 断熱
- 防音
- 結露対策
費用対効果が異常に高い。
37. 空調計画は後回し厳禁
エアコン位置で全てが狂う
見た目重視で
エアコン位置を軽視すると、
- 冷えない
- 暖まらない
- 風が不快
マンションリノベでは、
- 配管ルート
- 勾配
- 室外機位置
これを最初に押さえる。
38. デザインと性能は対立しない
敵は「浅さ」
よくある誤解。
「性能を取るとダサくなる」
違う。
ダサくなるのは、
- 中途半端
- 理解不足
- 目的不明
優れたマンションリノベは、
性能がデザインを支えている。
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