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店舗リフォームについて2026.06.26

店舗リフォームとは何か

店舗リフォームとは、既存の店舗を営業しやすく・お客様が来やすく・安全に使えるように改修することです。
単に古くなった内装をきれいにするだけではなく、次のような目的で行われます。

  • 老朽化した内装・設備の更新
  • 売上アップのためのデザイン改善
  • 動線の見直しによる作業効率向上
  • 業態変更への対応
  • 法令・消防・衛生基準への対応
  • 空調・照明・水回りなど設備性能の改善
  • ブランドイメージの再構築

たとえば飲食店なら、
「古い居酒屋をカフェ風にしたい」
「厨房を広くして回転率を上げたい」
「トイレを清潔にして客単価を上げたい」
といった改修が店舗リフォームにあたります。


1. 店舗リフォームと店舗リノベーションの違い

実務上は混同されがちですが、ざっくり分けると次のイメージです。

店舗リフォーム

傷みや不便を直し、今ある店舗を使いやすく整える工事
例:

  • クロス張替え
  • 床の貼替え
  • トイレ交換
  • 厨房機器入替
  • 外壁塗装
  • 看板交換

店舗リノベーション

店舗の価値や使い方を大きく変える、より大規模・再設計寄りの改修
例:

  • 居酒屋を美容室に変更
  • 物販店をカフェ併設型に変更
  • スケルトン状態に近い大改装
  • コンセプトやブランド導線を全面再構築

つまり、
「直す・整える」の色が強いのがリフォーム、
「作り変える・価値を上げる」の色が強いのがリノベーション

と考えるとわかりやすいです。


2. 店舗リフォームをする主な目的

店舗リフォームは、見た目をきれいにするためだけにやるものではありません。
大きく分けると、目的は次の6つです。

① 集客力を上げる

店の第一印象は売上に直結します。
外観・看板・入口・照明・内装の雰囲気が古いと、商品やサービスが良くても入店率が下がることがあります。

例:

  • 暗い居酒屋 → 明るいバル風に変更
  • 昔ながらの理容室 → ナチュラル系美容サロンへ刷新
  • 雑多な物販店 → 商品が見やすい什器配置に変更

② 客単価や滞在時間を上げる

座席間隔、照明、音響、香り、内装素材などで居心地は変わります。
「長くいたくなる店」は追加注文やリピートにつながりやすいです。

③ スタッフの作業効率を上げる

店舗運営では、お客様の動線スタッフの動線の両方が重要です。
厨房が狭い、レジと商品棚が遠い、バックヤードが使いにくいなどの問題は、毎日のロスになります。

④ 老朽化への対応

床のきしみ、壁の汚れ、雨漏り、空調不良、給排水トラブルなどを放置すると、営業に支障が出ます。
見た目だけでなく、事故・クレーム・衛生問題にもつながります。

⑤ 法令・衛生・安全対策

店舗は住宅と違い、不特定多数が利用するため、建築基準法・消防法・業種ごとの衛生基準などの影響を受けやすいです。
とくに飲食店、美容室、クリニック系は注意が必要です。

⑥ ブランドの再構築

「安売り感をなくしたい」
「高級路線に変えたい」
「若い層に来てほしい」
といったとき、内装は非常に強い武器になります。


3. 店舗リフォームで工事する主な内容

店舗リフォームは、大きく分けると以下の工事に分類できます。


4. 内装工事

もっともイメージしやすいのが内装工事です。

4-1. 天井工事

  • クロス張替え
  • 塗装
  • 下地補修
  • 天井高の変更
  • 間接照明用の造作

ポイント

天井は面積が広く、店の印象を大きく左右します。
低い天井は落ち着きを出しやすく、高い天井は開放感を出しやすいです。


4-2. 壁工事

  • クロス張替え
  • 塗装
  • 左官仕上げ
  • 木パネル・化粧材施工
  • 間仕切り壁の新設・撤去

ポイント

壁は世界観を決める部分です。
カフェなら温かみ、美容室なら清潔感、バーなら重厚感など、業態ごとに最適な仕上げが変わります。


4-3. 床工事

  • 長尺シート
  • フロアタイル
  • クッションフロア
  • フローリング
  • 塩ビタイル
  • 防滑床材

ポイント

店舗床材は見た目だけでなく、

  • 掃除しやすさ
  • 耐水性
  • 耐摩耗性
  • 滑りにくさ
  • 椅子や台車への耐久性
    が重要です。

飲食店や美容室では、水・油・薬剤への強さが特に重要になります。


5. 設備工事

店舗リフォームで費用が大きくなりやすいのが設備工事です。

5-1. 電気工事

  • 照明交換
  • コンセント増設
  • 分電盤改修
  • 厨房機器用の電源増設
  • 看板照明
  • エアコン電源対応

5-2. 空調工事

  • 業務用エアコン交換
  • 換気設備設置
  • ダクト工事
  • 厨房排気の改善

5-3. 給排水工事

  • シンク増設
  • トイレ改修
  • 洗面設置
  • 厨房レイアウト変更に伴う配管変更

5-4. ガス工事

  • 厨房機器の入替
  • ガス管延長・移設
  • 給湯器交換

設備工事が高くなる理由

設備は単体の機器代だけでなく、

  • 配線
  • 配管
  • 天井・壁の開口復旧
  • 申請や調整
    まで発生するからです。

とくに飲食店・美容室・クリニック・エステは設備比率が高くなりやすいです。


6. 外装工事・ファサード工事

店舗は「入店前の印象」がとても重要です。
そのため、外装や入口まわりの工事は集客に直結します。

主な内容

  • 看板交換
  • 外壁塗装
  • 入口ドア交換
  • ガラス面デザイン
  • テント・庇の設置
  • 夜間照明の演出
  • 植栽や外部サイン整備

ファサードの重要性

ファサードとは、店舗の正面外観のことです。
ここが弱いと、

  • 何の店かわからない
  • 入りづらい
  • 古く見える
  • 高そう/安っぽそうに見える
    といった機会損失が起こります。

7. レイアウト変更・間取り変更

店舗リフォームでは、見た目よりもレイアウト改善のほうが利益に効くことがあります。

  • レジ位置の変更
  • 客席数の最適化
  • 厨房とホールの動線短縮
  • 商品陳列棚の再配置
  • 待合スペース新設
  • バックヤード拡張
  • スタッフ更衣室の確保

レイアウトで見るべき視点

  • お客様が入りやすいか
  • どこに何があるか一目でわかるか
  • 混雑時に詰まらないか
  • スタッフが最短距離で動けるか
  • 死角が多くないか
  • 会計待ちがストレスにならないか

8. 店舗リフォームの費用相場

店舗リフォームの費用は、業種・面積・設備量・既存状態・デザインのこだわりで大きく変わります。
一般に、飲食店や美容系は設備工事が多いため高くなりやすいです。

参考目安として、店舗リフォームの坪単価はかなり幅があり、業種別では小規模店舗20~40万円/坪、サロン20~50万円/坪、飲食店30~50万円/坪程度とされる例があり、全面改装ではより高くなるケースもあります。別の整理では、全面リフォームの坪単価は約60万~200万円程度まで幅があると紹介されています。これは厨房・給排水・ガス・空調・意匠のグレードで差が大きいためです。(リフォームガイド)

業種別のざっくり傾向

物販店

比較的設備が少なく、費用を抑えやすい。
ただし什器や照明演出にこだわると上がる。

飲食店

高くなりやすい。
理由は、

  • 厨房設備
  • 給排水
  • グリストラップ
  • 換気・排気
  • ガス
  • 防火対応
    が必要になりやすいから。

美容室・サロン

シャンプー台や給排水、電気容量、照明計画が必要。
席数と水回り位置でコストが変わる。

クリニック・整体・エステ

個室化、衛生配慮、待合・受付設計などで費用差が出る。


9. 費用が高くなる要因

店舗リフォーム費用が上がる主な要因は次の通りです。

① 水回り設備が多い

トイレ、洗面、シンク、厨房、シャンプー台などは高くなりやすいです。

② 配管・ダクト・電気容量の変更が多い

見えない工事ほどお金がかかることがあります。

③ デザイン性の高い素材を使う

無垢材、塗り壁、造作家具、特注什器、間接照明など。

④ 老朽化が激しい

解体してみたら下地が腐っていた、漏水していた、配線が古かった、などの追加工事が起こりやすくなります。

⑤ 営業しながら工事する

夜間工事・短工期・仮設対応でコストが上がることがあります。


10. 店舗リフォームの流れ

一般的な流れは次の通りです。

① 目的整理

まず最初に、

  • 何のために工事するのか
  • 予算はいくらか
  • いつまでに完成させたいか
    を決めます。

ここが曖昧だと、見積もりもブレます。

② 現地調査

業者が現地を見て、

  • 寸法
  • 既存設備
  • 配管位置
  • 電気容量
  • 劣化状況
  • 法的条件
    を確認します。

③ プラン作成・概算見積もり

レイアウト案、デザイン案、概算費用を作成。

④ 詳細打合せ

素材、色、照明、設備機器、家具、サイン計画などを詰めます。

⑤ 正式見積もり・契約

工事範囲、金額、支払条件、工期、保証範囲を確認して契約。

⑥ 着工

養生→解体→下地→設備→仕上げ→器具取付→清掃の順で進むことが多いです。

⑦ 完了検査・引渡し

不具合がないか確認し、引渡しを受けます。


11. 店舗リフォームで特に重要な「動線」

店舗リフォームで失敗しやすいのが、見た目重視で動線が悪くなることです。

お客様動線

  • 入店しやすいか
  • 迷わず席や商品にたどり着けるか
  • 会計しやすいか
  • トイレがわかりやすいか

スタッフ動線

  • 厨房→配膳→下げ物の流れが短いか
  • レジ→包装→受け渡しがスムーズか
  • バックヤードから補充しやすいか

動線が悪いと起こること

  • 回転率が落ちる
  • スタッフが疲弊する
  • ミスが増える
  • 混雑時に店が回らない
  • お客様満足度が下がる

12. デザインで考えるべきこと

店舗デザインは「おしゃれかどうか」だけでは足りません。
大事なのは、誰に何を売る店なのかが空間で伝わることです。

デザインで決めるべき要素

  • ターゲット層
  • 客単価
  • 滞在時間
  • 回転率重視か、居心地重視か
  • SNS映えが必要か
  • 高級感か親しみやすさか
  • 清潔感を最優先すべき業種か

カフェ

木・塗装・暖色照明で滞在性重視

焼肉店

排気・清掃性・臭い対策が最重要

美容室

鏡まわりの照明、待合、収納、配線計画が重要

物販店

商品が主役なので、棚高さ・通路幅・視線誘導が重要


13. 店舗リフォームで注意すべき法規制

店舗は住宅より法規制の影響を受けやすいです。
詳細判断は設計者・施工会社・行政確認が前提ですが、最低限知っておきたいのは次の点です。

① 建築基準法

用途・面積・構造によって、内装材や避難計画に制限が出ることがあります。

② 消防法

火災報知設備、誘導灯、消火器、内装制限など。
とくに飲食店や人が多く集まる店舗は注意。

③ 保健所関連

飲食店なら厨房、手洗い、シンク、衛生区画などが問題になります。

④ バリアフリー配慮

必須かどうかは条件によりますが、入口段差やトイレ計画は将来的にも重要です。

SUUMOの解説でも、店舗は特殊建築物として扱われる場合があり、建築基準法や消防法に基づく内装制限がかかることがあるとされています。使用する仕上材は、規模や用途に応じて難燃・準不燃・不燃材料の検討が必要です。(SUUMO)


14. 店舗リフォームで失敗しやすいポイント

① 見積もりの範囲が曖昧

「どこまで含むのか」が不明確だと、あとから追加費用が増えます。

確認すべき項目:

  • 解体費
  • 廃材処分費
  • 電気・給排水・ガス工事
  • 看板工事
  • 什器工事
  • クリーニング
  • 諸経費
  • 設計費
  • 申請費

② デザイン優先で使いにくい

映えるけど掃除しにくい、座席が狭い、収納不足など。

③ 設備容量を見落とす

古い店舗では、エアコン増設や厨房増設に電気容量が足りないことがあります。

④ 工期に余裕がない

オープン日だけ先に決めると、仕上げが雑になったり、追加変更に対応できなくなります。

⑤ 既存不良を甘く見る

解体後に雨漏り・腐食・漏水が見つかることは珍しくありません。


15. 費用を抑えるコツ

① 優先順位を決める

全部やろうとすると予算オーバーになりやすいです。
優先順位は基本的に次の順がおすすめです。

  1. 安全性・営業継続に関わる不具合
  2. 売上に直結する部分
  3. 作業効率改善
  4. 見た目の装飾強化

② 使えるものは活かす

  • 既存の壁下地
  • 使える厨房機器
  • まだ新しいエアコン
  • 既存トイレ位置
    などは活かせると安くなります。

③ 水回り位置を大きく動かしすぎない

給排水移設は高くなりやすいです。

④ 素材にメリハリをつける

全面を高級素材にするのではなく、見せ場だけこだわる方法が有効です。

⑤ 相見積もりを取る

同じ工事内容でも金額差が出ることがあります。
ただし、安さだけで決めるのは危険です。
見積もりの中身、実績、担当者の理解力まで見た方がいいです。


16. 資金計画・ローン・補助金

店舗リフォームはまとまった資金が必要なので、資金計画が非常に重要です。

資金調達の主な方法

  • 自己資金
  • 銀行融資
  • 日本政策金融公庫
  • 自治体制度融資
  • リースや割賦
  • 補助金・助成金の活用

店舗リフォーム向け資金調達先としては、日本政策金融公庫、地方自治体の制度融資、民間金融機関、信販系ローンなどが代表的と整理されています。(リフォームガイド)

注意点

  • 工事費だけでなく、営業停止期間の売上減も考える
  • 開業・再開後の運転資金を残す
  • 家具・備品・広告費も別でかかる
  • 金利と返済総額を必ず確認する

17. 業者選びのポイント

店舗リフォームは、どの会社に頼むかで満足度がかなり変わります。

見るべきポイント

① その業種の施工実績があるか

飲食店、サロン、物販、オフィスではノウハウが違います。

② 設計と施工の両方に強いか

見た目だけでなく、設備・法規・動線まで見られる会社が理想です。

③ 見積もりが明確か

「一式」が多すぎる見積もりは注意。

④ 現場対応力があるか

既存店舗の工事は、解体してから問題が出ることがあります。
そのときの説明力・対応力が大事です。

⑤ 担当者が目的を理解しているか

「何を直すか」だけでなく、
なぜその工事をするのか、売上や運営にどう効くのかまで理解してくれる担当者が強いです。


18. 店舗リフォームを成功させる考え方

最後に、店舗リフォームを成功させるための考え方をまとめます。

成功の基本は「見た目」より「目的」

店舗リフォームで本当に大切なのは、
きれいにすることそのものではなく、経営上の課題を解決することです。

たとえば、

  • 入店率を上げたいのか
  • 回転率を上げたいのか
  • 客単価を上げたいのか
  • 作業効率を上げたいのか
  • 老朽化を直したいのか
  • ブランドを変えたいのか

ここが曖昧だと、工事は終わっても「なんとなく綺麗になっただけ」で終わります。


19. まとめ

店舗リフォームとは、店舗をより売れる・使いやすい・安全な空間へ改善する工事です。
内容は、内装の張替えだけでなく、

  • 壁・床・天井の改修
  • 電気・空調・給排水・ガスなどの設備更新
  • 外観や看板の改善
  • 客席や厨房、売場のレイアウト変更
  • 法令・消防・衛生への対応
  • ブランドイメージの再構築

まで幅広く含みます。

そして成功のポイントは、

  1. 目的を明確にする
  2. 予算と優先順位を決める
  3. 動線・設備・法規を軽視しない
  4. 業種実績のある業者を選ぶ
  5. 見た目だけでなく利益につながる設計にする

この5つです。

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